文政権、チョ・グク事態後に「検察大量左遷」...判事休職などで一審判決まで3年

裁判が遅延し国論が激しく分裂

 チョ・グク元韓国法務部(省に相当)長官は2019年8月に当時の文在寅(ムン・ジェイン)大統領から法務部長官に指名されたが、その直後から息子と娘の不正入試問題や私募ファンド関連疑惑などが相次いで浮上した。とりわけ不正入試は文在寅前政権が掲げてきた公正性を大きく毀損(きそん)するものとなり、社会の怒りを招き政治的にも大きな問題となった。しかし文前大統領は2019年9月「疑惑があるという理由だけで任命を見送れば、それは悪しき前例になる」としてチョ氏を法務部長官に正式に任命した。しかしチョ氏の長官就任後もさまざまな疑惑が浮上し、チョ長官は就任からわずか36日で辞任した。

 検察はチョ氏一家に対する捜査を進め、2019年11月にチョ氏の妻の鄭慶心(チョン・ギョンシム)元東洋(トンヤン)大学教授を逮捕・起訴した。チョ氏も同年12月に在宅で裁判を受けることになった。

 すると文在寅政権はチョ氏を捜査した検察に対し「虐殺人事」で報復した。秋美愛(チュ・ミエ)元法務部長官は2020年1月に当時の韓東勲(ハン・ドンフン)大検察庁(高等検察庁に相当)反腐敗・強力部長、宋庚鎬(ソン・ギョンホ)ソウル中央地検第3次長らを左遷した。同年8月にはソウル中央地検で控訴維持を担当していたカン・ベクシン副部長検事にソウルから往復12時間離れた統営支庁への移動を命じた。

 裁判も納得しがたいものとなった。金命洙(キム・ミョンス)大法院(最高裁判所に相当)長は進歩(リベラル)系判事グループ「ウリ法研究会」出身のキム・ミリ・ソウル中央地裁部長判事にチョ氏の一審裁判を担当させた。キム・ミリ判事は裁判で「検察の捜査は検察改革を進めようとしたチョ・グク氏への反撃という見方がある」と判断した。裁判官人事で他の判事2人が加わると、キム・ミリ判事は2021年4月に突然休職を申請し、金命洙・大法院長はこれを許可した。他の判事がやって来たが、最初から記録を確認する必要が出たため裁判は遅れた。これにコロナ渦が重なり一時は6カ月にわたり裁判が開かれない時期もあった。

 チョ氏に対する捜査と裁判が遅れる間に国論は激しく分裂した。いわゆる「チョ・グク事態」をめぐり支持勢力と反対勢力がソウル瑞草洞と光化門で毎週大規模集会を開いた。

 チョ氏の妻の鄭慶心氏は昨年1月に大法院で懲役4年が確定した。チョ氏は起訴から3年2カ月後に一審で懲役2年が宣告された。

ユ・ジョンホン記者

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