北朝鮮から飛んできた大きさ2メートルの気球が韓国の領空に入り込み、数時間漂い続けた末、東海上空へと抜けたことが6日に確認された。韓国軍は最近、中国の偵察気球が米国領空を侵犯して論争になったことを考慮し、北朝鮮の気球の状況を早くから細かく追跡していたという。韓国軍関係者は「潜入目的ではない、気流によって南下してきた北朝鮮の気象観測用気球と判断され、特に対応はしなかった」と語った。
韓国軍の合同参謀本部(合参)によると、北朝鮮の気球は今月5日午後6時30分ごろ、北朝鮮側から漣川一帯へと南下してきた。気球は韓国軍の熱映像監視装置(TOD)で識別できるほど低い高度で飛び、韓国領空に入り込んだという。韓国軍では、分析の結果、この気球は気象観測用でスパイ活動の嫌疑はないと判断され、追跡監視のみを維持して落としはしなかった。気球は数時間飛び続けて東海上空へと抜けた。韓国軍関係者は「北朝鮮の気象観測用気球が軍事境界線(MDL)以南へ飛んでくるケースはしばしばあり、韓国側の気象観測用気球が北に飛んでいくこともある」としつつ「だが最近、中国の偵察気球の事件もあり、対空状況監視を強化しているところ」と語った。
ところで、最近米国領空まで飛んでいった直径およそ30メートル相当の中国の偵察気球は、韓国領空を通過していないものとみられる、と韓国軍当局では分析している。韓国国防部(省に相当)のチョン・ハギュ報道官は6日のブリーフィングで「米国側が評価した中国の偵察気球の高度や韓国の対空能力などを総合した結果、中国の気球は韓国領空を通過していないと判断される」と発表した。チョン報道官は「中国の気球が中国を出発したころ、韓国空軍のレーダーに捕捉された気球関連の航跡はない」と語った。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者