米国で外国人が米国の農地や農業関連企業に投資することを制限すべきだとの声が高まっている。外国人富裕層による土地所有によって、自国の農民が市場から締め出される恐れがあるためだ。
ウォール・ストリート・ジャーナルは6日、米農務省の資料に基づき、中国人による米農地保有がここ数年で大幅に増加したと報じた。2020年末現在で中国の投資家(個人、外国法人、外国株主がいる米国企業)が保有する農地は33万8000エーカー(約13万6800ヘクタール)で、2010年末の7万5000エーカー(約3万400ヘクタール)の約4.5倍に増加した。
米国の農地全体で見ると、21年末現在で個人が所有する米国の農地全体のうち中国の投資家が所有する農地は1%未満で、米国の食糧自給能力を脅かす水準ではない。しかし、外国人富裕層が米国の農地にさらに資金をつぎ込めば、米国農民の土地所有が減少しかねないとする潜在的な危険性が高まっている。
さらに、米中対立が激化し、米国の農地保護への関心が高まっている。米農務省によると、中国は21年に360億ドル相当の米国産農産物を輸入した。中国は米国産農産物の最大の輸出先だ。
米政界は外国人が米国の農地を購入した場合、連邦政府レベルで監督を強化する法案に超党派で協力した。法案は、中国、ロシア、北朝鮮、イランの投資家が米国の農地や農業事業者を買収できないようにする内容を盛り込んでいる。共和党主導となった下院指導部は、米国の農地の外国人所有問題を検討する特別委員会を設置した。
米国の22州は農地の外国人所有権制限を強化する措置を検討中だ。21-22年にそうした検討を行ったのが8州だけだったのと比較すると、警戒が強まっていることを示している。
これに対し、中国は反発している。 在米中国大使館の報道官は「両国間の正常な交流と相互協力を妨げる行為に反対する」と述べた。
チョン・ミハ記者