■鄭義宣氏「現代自のライバルはIT企業」
現代自動車グループは昨年、世界販売台数で3位と善戦した。しかし、鄭義宣会長は、より大きな変化を注文している。現代自を「IT企業よりIT企業らしい企業」に変えることが鄭義宣会長の目標だ。先月の新年のあいさつで「自動車メーカーは電子メーカーよりも緻密(ちみつ)で几帳面になるべきだ」と述べたこともその延長線上にある。
現代による最近の善戦は、他社に先駆けてEVへと転換したおかげだった。他社が電動化を本格的に推進している現時点では、ソフトウエア定義型自動車(SDV)への転換を急ぐというのが現代自の目標だ。鄭会長は最近の内部会議でも重ねて「データを確実に掌握することが重要だ」と発言したという。これは独自のOS(オペレーション・システム)に基づき、自動運転、車両制御、インフォテインメント分野でプラットフォーム企業、サービス企業に生まれ変わることを示す。ネイバー出身のソン・チャンヒョン社長が率いるTaaS(トランスポーテーション・アズ・ア・サービス=サービスとしての輸送)本部の傘下にソフトウエア組織を統合したのもそのためだ。
変化の過程で内部の混乱は避けられない見通しだ。実際に現代自はTaaS本部と先行技術院に代表されるソフトウエア新興勢力と南陽研究院を中心とする内燃機関部門の社員が賃金・処遇をめぐって神経戦を繰り広げている。内燃機関エンジニアの不満は「カネは自分たちが稼いでいるのに、なぜ優先順位で後回しなのか」ということだ。現代自のビジョン実現の成否は組織管理で決まるとの声もある。
キム・アサ記者