違法建築を許さなかった区長…「死傷者なし」トルコの小都市・ハタイ県に行ってみた

 (アンカー)

 トルコで地震の被害が最も大きい地域が南東部のハタイ県です。ところが、この地域の中でも死亡者や負傷者が1人もいない小さな都市があるそうです。

 トルコ現地にいるキム・チャンソプ記者がその都市を訪れて理由を調べました。

【TV朝鮮ニュース動画】違法建築を許さなかった区長…「死傷者なし」トルコの小都市・ハタイ県に行ってみた

(記者リポート)

 トルコ南東部のアダナとイスケンデルンの間にあるエルジン地区。渋滞もなく車で移動でき、すべての店が営業しています。

 倒壊した建物も見当たりませんし、電気も水も正常に供給されています。

 イスラム寺院の尖塔(せんとう)の一部が壊れ、いくつかの建物に亀裂が入っている以外は、ご覧の通り、ほとんどの建物に被害がありません。

 人口4万3000人ですが、地震による死傷者も1人もいません。

 すぐ近くの大都市で建物が倒壊し、数十人もの死亡者が出ているのとは対照的です。

 (アフメット・ダニッシュさん /エルジン地区の住民)

 「エルジン地区には死亡者も負傷者もいませんが、近くのオスマニエやその周辺は少なくとも100人以上が死亡したと聞きました」

 エルジン地区の当局は、請託があっても違法建築を全く許さなかったことが奏功したと説明しています。

 (ワケス・エルマスオール氏 /エルジン区長)

 「私が『できることはない』と言ったら、『トルコで自分だけは清廉潔白だというつもりか』と言われました」

 ほかの都市に比べて、比較的地震の揺れが大きくなかったという分析もありますが、地元の住民たちは安全な建物のおかげで被害がなかったと安堵(あんど)しています。

 (アルダ・タシュさん /エルジン地区の住民)

 「区長が違法建築を許可しなかったから、建物がしっかりしているのです」

 トルコ政府は建設業者約100人をずさん工事の疑いで逮捕するなど、遅ればせながら取り締まりに腰を上げました。

 トルコ全土で建物の半数程度が違法だと言われるほど、同国政府が放置していたことが地震の被害を増やしたと指摘されていますが、建設業者だけが処罰されるのは「トカゲのしっぽ切り」という批判の声も上がっています。

 テレビ朝鮮のキム・チャンソプがお伝えしました。

(2023年2月14日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)

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