元駐英北朝鮮公使の太永浩議員「済州4・3事件は金日成の指示で触発、北で学んだ」…野党は「犠牲者の名誉を毀損」と反発

 韓国の保守系与党「国民の力」の太永浩(テ・ヨンホ)議員が「済州4・3事件は北朝鮮の金日成(キム・イルソン)の指示により触発された」と主張したことを巡り、革新系最大野党「共に民主党」は14日、太議員を国会倫理特別委員会に提訴すると表明した。太議員は今月13日、「国民の力」3・8全党大会済州合同演説会で「4・3事件は明白に金氏一家によってほしいままに行われた蛮行」だとし「金氏政権に携わり(韓国へ)帰順した人間として、無限の責任を感じ、犠牲者に膝を突いて許しを請う」と発言した。

 済州の西帰浦市が選挙区の魏聖坤(ウィ・ソンゴン)民主党院内政策首席副代表はこの日の院内対策会議で「民主党は、4・3事件をあしざまに言って遺族と犠牲者の名誉を損なう妄言に対する責任を問い、太議員を国会倫理委に提訴する」と表明し、さらに「済州4・3の犠牲者と遺族の傷にまたも傷を重ねる妄言について、太議員は即刻謝罪し、国民の力の最高委員職候補を辞退すべき」と主張した。民主党所属の呉怜勲(オ・ヨンフン)済州知事も「太議員は色分け論に寄りかかったうその主張を行った」と述べた。

 4・3事件は、1948年4月3日に始まった南労党(南朝鮮労働党)の武装暴動を鎮圧する過程で数多くの民間人犠牲者が発生した、韓国現代史の悲劇だ。韓国政府は、民間人犠牲者に対する追悼事業を行ってきた。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領も当選者時代に、追悼式典に出席して「罪なき犠牲者を抱擁することは自由民主国家の義務」と語っていた。専門家らは、民間人犠牲者の追悼について異論はないものの、原因については南労党の武装暴動か韓国政府の鎮圧かを巡って依然として論争が続いている。

 太議員は14日、フェイスブックを通して「私は北朝鮮で大学生だったころから、4・3事件を誘発した張本人は金日成だと学んできた。今もそう思っている」と表明した。この日に開かれた「国民の力」3・8全党大会釜山・蔚山・慶南合同演説会でも「私はきのう、済州4・3事件に関連してファクトを一つさく裂させた」と語った。12日および13日に行った自らの発言は「ファクト」だという趣旨だ。また太議員は演説会で「謝罪すべき人間は私ではなく、金日成の孫・金正恩(キム・ジョンウン)」だとし「民主党は金正恩には何も言えず、私を見ると謝罪しろと言う。これが話になるか」と主張した。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

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  • ▲写真=太永浩(テ・ヨンホ)議員/NEWSIS

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