韓国統一部の権寧世(クォン・ヨンセ)長官は15日、北朝鮮が金正恩(キム・ジョンウン)総書記の娘キム・ジュエさんを公の場に出していることに関して、「4代世襲を前もって準備しているものと考える」と述べた。
権寧世長官は同日、国会外交統一委員会の全体会議で、キム・ジュエさんの公の場登場に関する鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員=与党・国民の力所属=の質問に、「北朝鮮は3代、4代にわたる世襲に前もって備え、金正恩氏といわゆる『白頭血統(故・金日成(キム・イルソン)主席の直系)』を中心とした体制結束を確固たるものとするための措置程度に考えている」と述べた。その上で、「さまざまな状況を考えると、(北朝鮮には)4代世襲の意志があるようだ」「世襲という部分についてはもう少し確実にしておこうとしているものと思われる」と語った。
ただし、キム・ジュエさんが後継者になるかどうかについては慎重な姿勢を見せた。権寧世長官は「金正恩氏の年齢や北朝鮮体制の家父長的性格などを考えると、女性にすぐに世襲させるだろうか、という疑問も多い」と述べた。そして、「さまざまな可能性について全体的に見ている」とも言った。同長官はまた、金正恩総書記の息子が存在するかどうかについては「キム・ジュエさん以外に(子ども)は確認されていない」「これまで、キム・ジュエさんの上に息子がいて、その下にもまた子どもがいるが、性別ははっきり分からないということだったが、『キム・ジュエ』と呼ばれる娘以外には確認されていない」「(息子が存在するかどうかについて)確実にそうだと確認できない、というのが事実だろう」と語った。
さらに、権寧世長官はこの日、「北朝鮮が世界食糧計画(WFP)に食糧支援を要請した」「モニタリングなどの問題で意見が合わず、進展していないと聞いている」と明らかにした。北朝鮮は最近、全域で食糧難に陥っていると言われている。北朝鮮に詳しい消息筋は「(北朝鮮北東部)両江道のある地方では餓死者の遺体が発見されても驚かない」「咸鏡南道徳城郡では食糧をめぐって争い、家族間の刃傷ざたがあった」と話している。
キム・ミョンソン記者