韓国検察当局が大庄洞・慰礼新都市の開発をめぐる業者優遇や城南FC後援金疑惑に関連し、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の逮捕状を請求した。大庄洞事業の最終決裁権者として、超過利益回収条項の削除を決定し、城南都市開発公社に4895億ウォンの損害を与えたほか、側近を通じ、城南市と城南都市開発公社の職務上の秘密を漏らし、民間事業者に利益を得させた疑いだ。このほか、城南FCのオーナーとして、企業から後援金133億ウォンを集める見返りとして、建築許認可や土地用途変更などで便宜を図った容疑にも問われた。
検察は金万培(キム・マンベ)氏が李代表側に大庄洞開発の事業者「天火同人1号」から428億ウォンの配当を受け取る権利を約束したとされる事件の核心部分についても、犯行動機に盛り込み、追加捜査を続けるとした。検察は「李代表が政治的功績をつくるため、民間業者と癒着し、再選支援を受ける過程で犯行が続いた」と指摘した。
李代表は党の緊急最高委員会を開き、「不正なカネを一銭も受け取ったことはない。稀代の事件として歴史に記録されるだろう」と述べた。民主党は「野党第1党代表の逮捕は憲政史上例のないことだ。逮捕同意案を断固として否決し戦う」と表明した。
李代表への逮捕状請求は、誰もが予見できた。大庄洞事件は文在寅(ムン・ジェイン)政権が捜査を始めた。民主党の大統領選候補が被疑者なのに捜査をせざるを得ないほど深刻な事件だった。当然大統領選で最も大きな争点となった。李代表は自身の容疑に対する国民の疑惑を払拭できず、大統領選で敗れた。
それだけに、新体制の検察が大庄洞疑惑の本格捜査に踏み切ることは誰もが知っていた。普通ならば李代表は捜査に対する説明に集中し、民主党は大庄洞疑惑と距離を置き、野党としての役割を果たすべきだった。しかし、李代表は大統領選敗北から3カ月後に国会議員に出馬するという前代未聞の選択をした。誰が見ても、大庄洞事件の捜査に対処するには議員になることが有利だったからだ。そうやって不逮捕特権を確保した後、2カ月後には党代表選にまで出馬した。こんな「防弾一辺倒」がなければ、野党代表に逮捕状が請求されること自体なかっただろう。李代表が党代表に就任すると、民主党は一日も休まず「防弾国会」を開いた。もし起訴されても代表職を維持できるように党規まで変えた。それに先立ち、検察捜査権を完全に剥奪する法律までつくった。全てが李代表の弾除けが目的であり、憲政史上初のことだった。
大庄洞などさまざまな疑惑は民主党とは何の関係もない。民主党の誰もそんなことが起きているとは知らなかった。それでも党を「李在明の民主党」にし、全てを防弾に結びつける状況に至った。防弾の役に立つならどんな主張もしている。この異常な姿は、李代表が来年の総選挙における公認権を握っているためだとされる。いくらそうだとしても度が過ぎている。
李代表の逮捕同意案は28日に採決される可能性があるという。李代表が不逮捕特権を放棄しない限り、与野党間だけでなく、野党内部でも再び対立が避けられない。李代表個人の犯罪容疑のために、どれだけ多くの国家的対立と浪費を招くのか。今からでも自ら裁判所の令状審査を受けることを決めれば、逮捕同意案を採決する必要はない。李代表の主張通りに罪がなければ逮捕状請求は棄却され、李代表の政治的立場はむしろ強まるだろう。さもなくば、相応しい法的責任を負えばよい。憲政史上初めての野党代表に対する逮捕状請求は、李代表と民主党が憲政史上例を見ない防弾行為に及び、自ら招いたものだ。