悪態をつく・寝る・住所も分からない…韓国に帰ってきた酔っ払いたち

コロナの収束とともに弘大通りの酔客関連の苦情、1年で76%増

 「酒に酔った人が倒れています。何とかしてください」

 1月30日午後10時ごろ、ソウル市永登浦区のあるコンビニから通報が入った。永登浦警察署中央地区隊所属の警察官が出動し、酒に酔った中年男性をコンビニから地区隊に移した。身元を割り出したところ、蔚山市所在の男性だった。妻の名前や連絡先を問うも「えっと、052」と、まともに受け答えができない。男性のポケットには携帯電話もなかった。結局、警官はその後、最初に通報が入ったコンビニ近くの宿泊施設を同男性の写真を見せながら回った。彼が宿泊中だったホテルを見付け、部屋に連れ帰ったのは、約3時間後の午前1時30分だった。

 ほとんどの公共施設では室内におけるマスク着用の義務が解除されるなど、コロナ・エンデミック(Endemic、風土病化)の局面が本格化すると、全国各地の地区隊で酒酔い客がコロナ以前の水準にまで急増し始めている。通報が殺到する中、現場に向かった警官たちが酒に酔った市民たちを介護しなかったことで、酒酔い客たちが街中で死亡するなど、警察に対する国民の視線も厳しさを増している。

 2月1日、ソウル市警察庁が「国民の力」のイ・ジョンベ議員室に提出した資料によると、昨年ソウル地域の酒酔い客関連の苦情件数は3万8210件と、前年比で16%増となった。若年層が多く集まる弘大一帯を管理する麻浦区弘益地区隊には昨年1年間で、計736件の苦情が寄せられるなど、前年(419件)比で76%も増えた。建国大学周辺を管轄する広津警察署華陽地区隊でも、同期間に寄せられた苦情件数は46%増となった。

 実際、本紙が1月20日午後7時から翌日午前7時30分までの約12時間にわたり、華陽地区隊の夜間勤務を同行取材してみたところ、酔客関連の通報が殺到した。まず午後8時ごろ、ある30代の女性が泥酔状態で警察の助けを受けながら地区隊に担ぎ込まれてきた。警官は7人掛かりで介護に当たった。青いラテックスの手袋をはめ、床に茶色の三つ折りマットと新聞紙を敷いた。女性が吐きそうになると、ごみ箱にビニール袋をかぶせて持ってきた。女性警官は泥酔状態の女性の髪も結わいてやった。1時間後には、この女性をパトカーで家まで送った。同日同行取材した約12時間の間、華陽地区隊には合わせて42件の通報が寄せられたが、このうち27件が酔客関連のものだった。

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  • ▲1月20日午後8時、泥酔状態の30代女性がソウル市広津警察署管轄の華陽地区隊内にある椅子に横たわっている。=パク・チンソン記者

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