【2月18日付社説】規制緩和で先端IT人材育成に乗り出す日本、総体的に人材難の韓国

 日本ではデジタル人材育成のため、東京23区にある大学の定員規制を緩和することにした。日本にある807大学のうち、東京23区には東京大学や早稲田大学など101の大学がある。早ければ2024年度にも、これらの大学にデジタル系列学部や学科を新設したり、定員を増やしたりすることが許可されるようになる。日本は地方の均衡発展や地方大学の経営難緩和のため、2018年に地方大学振興法を導入し、東京23区内の大学学部新設と定員増加を禁止してきた。しかし、第4次産業革命時代に国家競争力をつけるには地方均衡発展論理よりも東京23区の規制を緩和し、先端情報技術(IT)人材を育てることの方がはるかに緊要だと判断したのだ。

 これだけではない。日本の文部科学省は今年初め、250程度の理工系学部を今後10年間で新設することなどを骨子とした大々的な人材育成策を発表した。日本ではこの6年間で137の地方大学に先端デジタル系学科が新設され、総入学定員が2万1600人になった。今年も17の大学にデジタル系学科が追加で新設される。だが、これだけでは不足だとして、東京23区にある大学もデジタル人材育成に乗り出せるよう、規制を緩和したものだ。一方、韓国では、半導体特別法が昨年末、かろうじて国会を通過したが、核心となる首都圏の大学定員増加など人材育成策は地方の論理に抑え込まれている。

 技術覇権時代には先端科学人材を養成・確保することが競争力を左右する。ファウンドリ(半導体受託製造)世界1位のTSMCがある台湾の場合、韓国と比べると人口は半分にもならないが、科学技術分野の卒業生は2倍を上回る。2012年から2021年までの台湾の科学技術関連卒業生は236万人に達する。同期間の韓国の卒業生は104万人程度だ。

 韓国では度を越えた医科大学・医学部偏重現象も見られる。韓国科学技術院(KAIST)など特殊大学4校でこの5年間に1000人を超える学生が中退した。これらの大多数が医科大学・医学部に進学したものと推定される。KAISTの場合、2022年の新入生の70%が科学高校や英才学校の卒業生だ。国からすれば、科学人材育成を目指す科学高校・英才学校卒業生が多数離脱するのは国家的大損失にほかならない。最近では延世大学・高麗大学・西江大学といった主要大学の半導体関連学科すべてで、初めて随時募集で「入学0人」を記録した。合格しても誰も実際には入学手続きを取らず、当初の定員の1.5倍に達する追加合格者を出さなければならなくなったのだ。主な大企業の採用を制度的に保障しても意味がない。

 現在の科学技術分野企業の待遇を考えれば、70歳以上まで働くことができ、高い報酬を得られる医師になるため医科大学・医学部を選ぶのは当然のことだろう。しかし、科学技術人材がいなければ人工知能(AI)革命も、半導体競争力も、国家競争力もない。今こそ国を挙げて科学技術人材養成問題を協議しなければならない。

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