ウクライナ民間人へのミサイル攻撃・拷問・性的暴行…ロシア軍の犯罪行為は7万件超

【開戦1年】21世紀で最も醜悪な戦争

 ロシアによるウクライナ侵攻は人権という観点からも「21世紀で最も醜悪な戦争」と記録されそうだ。

 ウクライナ警察庁が20日(現地時間)に公表した内容によると、昨年2月にロシアが侵攻を開始してから1年で7万558件にのぼるロシア軍による犯罪行為が報告された。民間人に対するミサイル攻撃から拷問、殺人、強姦(ごうかん)、誘拐などが平気で行われ衝撃を与えている。

 米国のハリス副大統領は18日にドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議で「ロシアがウクライナで殺人、拷問、性的暴行など反人道的犯罪を行ったとする結論を米国は正式に下した」と明らかにした。ハリス副大統領は昨年2月にウクライナのブチャで発見された民間人の虐殺遺体、昨年3月のマリウポリの産婦人科病院に対するミサイル攻撃による子供や妊婦の犠牲、ロシア軍に性的暴行を受けた4歳の子供などに関する国連の調査報告に言及し、ロシアによる野蛮で非人間的な行為を非難した。

 ロシア軍が戦争捕虜に拷問を加えた証拠も次々と明らかになっている。第42独立自動車化狙撃旅団で地雷撤去作業を指揮していたというコンスタンティン・イェフレモフ元大尉は今月初めに英BBC放送とのインタビューで「ウクライナ兵の捕虜に対する拷問を目撃した」と明らかにした。イェフレモフ氏は「昨年4月にメリトポリ郊外の村でロシア軍のある将校がウクライナ軍の女性捕虜に性的暴行を加え、腕や脚に銃弾を撃ち込んだ」と証言した。捕虜に食料を与えず歯を抜くなどの虐待も行われたという。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の管轄下にある国連ウクライナ人権監視ミッションのボーグナー氏は「ロシアやウクライナのロシア軍占領地では電気を使った拷問、捕虜をつり上げての暴行などさまざまな方法で拷問が行われている」と伝えた。

 国際児童保護団体のセーブ・ザ・チルドレンは20日、戦争1年の経過報告書で「ウクライナ戦争で毎日4人の子供が犠牲あるいは負傷したと把握しているが、実際の子供の死傷者数ははるかに多いだろう」と説明した。報告書によると、侵攻開始後ウクライナの子供たちは平均920時間(約38日)を地下防空壕(ごう)で過ごしているという。セーブ・ザ・チルドレンのインゲル・アッシン事務局長は「子供たちは地下の防空壕で過ごした経験を生涯忘れられないだろう」と指摘した。

 ロシアが少なくとも6000人のウクライナの子供たちをロシアに連れ去り、思想教育を行っているという調査結果も公表された。イェール大学公衆衛生大学院の人道研究室は先日「ロシアは本土やクリミア半島の43施設に少なくとも6000人のウクライナの子供たちを収容し、ロシア社会に同化させるための教育を行っている」と明らかにした。

 これらの指摘についてロシアは「欧米諸国の非難はロシアを悪魔化するため」として反人道的犯罪を否定している。アントノフ駐米ロシア大使は「米国はウクライナ戦争をあおる自国の行動を正当化するため一連の主張をしている」と反発した。

ペク・スジン記者

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