トルコ地震発生現場で、129時間ぶりに奇跡的に救助された猫が、自身を救ってくれた消防士と家族になった。世界中のネットユーザーたちは「気ままでマイペースな猫が自分と一緒に暮らす人間(飼い主)を選ぶ」という意味から「猫様の下僕選び」という表現を使って、1匹と1人の出会いを喜んでいる。
外信各社が20日(現地時間)に報道したところによると、消防士のアリ・カカスさん(33)は6日、マグニチュード(M)7.8の地震が発生した後、震源地に近い同国南部ガズィアンテプ県で捜索・救助作業に参加した。生存者を救出し、遺体を収容する作業を続けていた時、カカスさんはアパートのがれきの中から白い猫を1匹発見した。地震発生から129時間後のことだった。
カカスさんは猫を無事に救い出した後、食べ物と水を与えて丁寧に世話した。行き場のない猫を、飼い主が見つかるまで世話することにしたのだ。しかし、猫は既にカカスさんを家族として受け入れているようで、彼のそばを離れなかった。カカスさんが救助作業中に休憩を取っている時は肩の上に上がり、ほこりまみれの彼のほおをなめた。
1匹と1人の心温まる姿をとらえた写真と動画は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて全世界に広がり、大きな話題を集めた。ネットユーザーたちは「猫が『私を飼って』と言っているようだ」「これはきっと『私の下僕になれ』という意味だ」「歴史に残る『猫様の下僕選び』だ」などのコメントを寄せ、カカスさんと猫に「一緒に暮らしてほしい」と願った。カカスさんも生存者の捜索が終わったことから、猫の「ご要望」を受け入れることにした。
家に帰ったカカスさんは、猫に「アンカス」という名前を付けた。この名前にはトルコ語で「ルビー」という意味が込められているという。カカスさんはこのほど、写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」に近況と写真を掲載し、逆境を乗り越えた猫の今の様子を伝えている。カカスさんは「猫は救助された瞬間からただの一度も私のそばを離れたことがない」「私も猫も今回の地震でつらい時間を過ごしたが、私たちはお互いを受け入れてこのトラウマ(心的外傷)を克服していくだろう」とつづった。
ムン・ジヨン記者