偽ブランド品に強硬対応のルイ・ヴィトン、自社広告に米画家の作品を無断使用

 フランスの高級ブランド「ルイ・ヴィトン」が現代美術の巨匠の作品を自社広告に無断で使用したとの報道があった。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は21日(現地時間)、米国抽象表現主義の画家ジョアン・ミッチェルの作品を管理する財団がこのほど、ルイ・ヴィトン本社に侵害行為の中止を要求する書簡を発送したと報じた。ミッチェルは1925年に米シカゴで生まれ、1992年にフランスで死亡した画家で、ジャクソン・ポロックやウィレム・デ・クーニングら抽象表現主義を代表するアーティストたちと共に、1951年の共同展示会「ナインス・ストリート・ショー」に参加したのをきっかけに名声を得た。

 アートニュースによると、ミッチェルの作品が登場したルイ・ヴィトンの広告は今月12日付のニューヨーク・タイムズに掲載されたという。同ブランドのバッグ「カプシーヌBB」の広告だ。モデルがミッチェルの1983年の作品「ラ・グラン・バレ14」を背景に、カプシーヌBBと一緒にポーズを取っている。このバッグは韓国国内では947万ウォン(約98万円)で販売されている。

 この財団は書簡で、「『ハンドバッグの広告にミッチェルの作品を使いたい』というルイ・ヴィトンの要請を何度も拒否したのにもかかわらず、ルイ・ヴィトンは許可なく少なくとも3点のミッチェル作品を広告に登場させた」と主張している。同財団はミッチェルの作品イメージを教育的な目的にのみ使用するという長年の方針に基づき、ルイ・ヴィトンの要請を拒否したとのことだ。

 同財団は「ルイ・ヴィトンが営利目的でアーティストの著作権を無視したのは遺憾だ」「三日以内にミッチェルの作品が使用されているすべての広告を中止しないなら、ルイ・ヴィトンの著作財産権侵害行為に対して法的措置に着手する」と明らかにした。

 ミッチェルの作品を広告に使おうというアイデアを出したのは、ルイ・ヴィトンを傘下ブランドに抱えるLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのベルナール・アルノー会長だという。アルノー会長の側近が財団に「会長がミッチェルの作品を使用したいと言っている。会長は財団に寄付金を出す考えだ」と説明したとのことだ。

 ルイ・ヴィトンは知的財産権侵害に関して、2017年の1年間だけで世界で3万8000件以上の法的措置を取った。ルイ・ヴィトンは2016年、「ルイ・ヴィトンダク(LOUIS VUITON DAK トンダクとは韓国語で鶏の丸焼きや鶏の丸揚げのこと)」という商号を使った韓国のチキン店を相手取り訴訟を起こし、1450万ウォン(約152万円)の強制執行金を手にした。

オ・ギョンムク記者

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