送金は遅れるし李華泳氏と連絡が取れない…北の当局者激怒「私の首が飛ぶ」

 北朝鮮対南窓口機関である朝鮮アジア太平洋平和委員会のキム・ソンヘ室長が韓国・京畿道の支援によるスマートファーム事業に軍隊まで動員することを決めた状況で、交渉相手の李華泳(イ・ファヨン)京畿道平和副知事(当時)と連絡が取れなくなり、激怒して京畿道側に強く圧力をかけていたことが23日までに分かった。

 本紙の取材を総合すると、サンバンウルグループによる北朝鮮への違法送金事件を捜査している水原地検は最近、サンバンウル関係者のA氏から「李華泳・京畿道平和副知事が(スマートファーム事業に)財政支援をすると言い、北朝鮮側はその資金で中国から資材を購入し、軍関係者まで動員することを決めたと聞いている」との証言を得た。京畿道は2018年、北朝鮮の黄海道地域でスマートファーム事業を推進した。京畿道の李華泳副知事が当時、スマートファーム事業に支援を行うと表明したのは2018年10月だが、2カ月たっても京畿道から送金がなかったことから、朝鮮アジア太平洋平和委員会のキム・ソンヘ室長が怒って京畿道への圧力を強めたという。

 A氏は「キム·ソンヘ室長が『人材も集めたのに李副知事と連絡が取れず、私の首が飛びかねない状況』だと怒った」と証言したもようだ。検察はキム・ソンヘ室長が動員したという軍部隊は「黄海道突撃隊」だと推定している。

 A氏はまた、検察の聴取に対し、サンバンウルが北朝鮮にスマートファーム事業費として、500万ドル(約6億7300億円)を送金したことに関連し、「状況が悪化したことから、李華泳元副知事がサンバンウルを引き込んだものだ」と語ったという。検察も李元副知事がサンバンウルのキム・ソンテ元会長に対し、京畿道に代わって北朝鮮側にスマートファーム事業費500万ドルを支援するよう求めたとキム元会長の訴状に記載したという。

 これについて、李元副知事側は検察に対し、「京畿道は北朝鮮のスマートファーム事業への費用支援をしないからといって、サンバンウルに肩代わりを要求する理由もない。サンバンウルが北朝鮮にカネを渡したのかもしれない」と主張したという。

宋元亨(ソン・ウォンヒョン)記者

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  • 【写真】朝鮮アジア太平洋平和委員会のキム・ソンヘ室長/NEWSIS

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