血染めの方がいいのでは? ウクライナが批判した「ルイ・ヴィトンの旗」とは

血染めの方がいいのでは? ウクライナが批判した「ルイ・ヴィトンの旗」とは

 「フランスの高級ブランド『ルイ・ヴィトン』は、パリ・ファッション・ウィークの広告で、ロシアによるウクライナ侵攻を支持するシンボルを使用した」とウクライナ側が主張した。これをめぐり、インターネット上ではさまざまな意見がぶつかっている。

【写真】ウクライナ当局が不快感を示した「ルイ・ヴィトン」の旗

 英紙テレグラフが6日(現地時間)に報道したところによると、ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府長官顧問は「5日のルイ・ヴィトンのファッションショーの広告に、ロシア国旗の色とシンボルマーク『V』を模したと思われる記号が入っている」と非難したとのことだ。「V」はロシア軍が勝利の意味で使う記号だ。

 パリ・ファッション・ウィークにルイ・ヴィトンが出した広告を見ると、中央にVという文字が描かれた青・白・赤の大きな旗が登場する。これはフランス国旗の3色とルイ・ヴィトンのロゴである「V」という文字をデザインしたものだが、ロシア国旗の色とロシアによるウクライナ侵攻を支持するシンボルマーク「V」の文字とも一致する。

 ポドリャク顧問はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「ツイッター」で、「ロシアの成金たちをターゲットにした高級ブランドが、侵攻の象徴を利用して公の場でふざけている」「高級ブランド品はたっぷりの血に染まった方がいいにおいがすることだろう。ルイ・ヴィトンよ」と批判した。

 これに関して、一部のネットユーザーたちも「ルイ・ヴィトンは広告制作において慎重さに欠けていた」とポドリャク顧問の意見に賛同している。

 ただし、それを上回る数のネットユーザーたちが「このような主張はこじつけだ」と反論している。同じ旗が2014年以降、パリにあるルイ・ヴィトン本店の上に掲げられているだけでなく、ルイ・ヴィトンは1901年から「V」字の旗のロゴを使用してきたからだ。

 フランス国旗とロシア国旗には同じ3つの色が使用されている。フランス国旗は青・白・赤が縦に配置されているが、ルイ・ヴィトンの旗の色の配置はこれと一致する。一方、ロシア国旗は上から順に白・青・赤が横に配置されている。

 同紙はまた、ポドリャク顧問が指摘した「ロシアの成金」を対象としたマーケティングも事実と異なると指摘した。事実、ルイ・ヴィトンは昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシア市場から最初に撤退した世界の主なファッション・ブランドの一つだ。

 ルイ・ヴィトンは昨年初めにも「同ブランドのジュエリー・コレクション『LV VOLTコレクション』のデザインはロシアによるウクライナ侵攻を支持する表現だと解釈できる」という話が広がり、騒動になったことがある。

 同コレクションは稲妻をデザインした物だが、一部で「ウクライナ侵攻に参戦したロシア戦闘車両の標識として使われる『Z』という文字にそっくりだ」と指摘されていた。

キム・ジャア記者

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