死亡した元秘書室長の遺書に「李在明代表、もう政治から降りてください」

亡くなった元秘書室長、遺書で「これ以上、犠牲者が出てはならない」

李在明代表「検察の圧迫捜査のせいで生じたことであって、私のせいなのか」

 韓国の革新系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が京畿道知事を務めていたころの初代秘書室長で、自宅で亡くなっているのが見つかったチョン・ヒョンスさん(64)が、李代表に言及する内容を遺書にしたためていたことが確認された。チョンさんは、2月に韓国検察が李代表に対する拘束令状を請求した「城南FC違法後援金」疑惑に関連して、李代表の第三者収賄容疑の共犯として検察の捜査を受けていた。

【写真】弔問を終えた李在明代表

 10日の本紙の取材内容を総合すると、チョンさんの自宅からはノート6ページ分の遺書が発見された。遺書には「李在明代表はもう政治から降りてください。これ以上、犠牲者が出てはなりません」という内容が含まれていることが分かった。またチョンさんは、城南FC後援金疑惑に関与したことについて「仕事を一生懸命やっただけなのに検察の捜査対象になり、悔しい」という趣旨の主張も遺書に記していたことが把握された。なお、警察関係者は「遺族が遺書の公開を拒否している」と語った。

 チョンさんは今月9日午後7時30分ごろ、京畿道城南市の自宅で、極端な選択をして亡くなっているのが発見された。韓国検察が最近請求した李代表の拘束令状には、チョンさんが城南市行政企画局長だったころの2014年から15年にかけてネイバー関係者と数回にわたって会い、40億ウォン(現在のレートで約4億1000万円)を城南FCに支援するよう仕向けたという内容が含まれている。この事件に関連して水原地検城南支庁は昨年12月26日、チョンさんを1度呼んで取り調べを行った。チョンさんはまた、京畿知事秘書室長だった2019年5月、下着大手サンバンウルのキム・ソンテ元会長の母親の葬儀で弔問に行き、「サンバンウルと北朝鮮側の経済協力合意書締結を祝う」等の言葉をかけたと伝えられている。チョンさんの遺族は、警察の事情聴取で「最近、メディアなどに名前が出ることにチョンさんはストレスを感じていた」と供述した。

 チョンさんは、李代表の城南市長在任当時の秘書室長などを務め、李代表が2018年に京畿知事に当選した後、当選人秘書室長および初代道知事秘書室長として勤務した。2019年には京畿住宅都市公社経営企画本部長を務め、社長職務代行を経て昨年12月に退職した。

 李代表はこの日、京畿道議会で開かれた最高委員会議で「これ(チョンさんの死亡)を李在明のせいというのか。検察による過度の圧迫捜査のせいで生じたことだ」「周辺の周辺の周辺まで及ぶ捜査に、どうして耐えられようか。検察のこの狂った振る舞いを、到底許すことはできない」と発言した。

権祥銀(クォン・サンウン)記者

キム・アジン記者

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  • ▲弔問を終えて戻る李代表。/写真=チャン・リョンソン記者

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