チョン・ミョングァン氏の小説『鯨』、英ブッカー国際賞の候補に

チョン・ミョングァン氏の小説『鯨』、英ブッカー国際賞の候補に

 【NEWSIS】小説家チョン・ミョングァン氏(59)の長編小説『鯨』が、世界的に権威のある英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳部門にあたる「ブッカー国際賞」の一次候補(ロングリスト)に選ばれた。

 ブッカー賞審査委員会は14日(現地時間)、同賞のロングリストを発表。『鯨』を含む12カ国の13作品が選ばれた。『鯨』を英訳した翻訳家のキム・ジヨン氏も一緒に名を連ねた。

 ブッカー賞審査委員団は、候補作『鯨』について「韓国が前近代社会から脱近代社会へと急速に転換する過程で経験した変化にスポットを当てた風刺的な小説」と評価した。

チョン・ミョングァン氏は2004年に発表した『鯨』が脚光を浴び、同作で文学トンネ小説賞を受賞。『鯨』は、山奥の少女から小都市の企業家になって成功する女性の一代記を中心に、さまざまな人物の強烈な生き様が描かれる作品で、韓国で10万部以上が売れ、ベストセラーに名を連ねた。全てのストーリーが一つの復讐(ふくしゅう)劇となっていて、「恨(ハン。晴らせない無念の思い)」を抱いて死んでいった醜い老婆が主人公を破局に導く。

 ブッカー賞は2019年まではマン・ブッカー賞と呼ばれていた文学賞で、ノーベル文学賞、フランスのゴンクール賞と並んで世界の3代文学賞と言われる。ブッカー国際賞は、非英語圏作家の英語翻訳作品を対象としている。

 韓国の小説は、16年に小説家・韓江(ハン・ガン)氏の『菜食主義者』がブッカー賞(国際部門)を受賞している。18年には同じく韓江氏の『すべての、白いものたちの』が最終候補に、19年には黄晳暎(ファン・ソクヨン)氏の『たそがれ』が一次候補に選ばれた。また、昨年は最終候補にチョン・ボラ氏の『呪いのウサギ』が、一次候補にパク・サンヨン氏の『大都会の愛し方』が選ばれた。

 今年の一次候補には、『鯨』のほか中国の作家・鄒静之氏の『ナインス・ビルディング』、ウクライナの作家アンドレイ・クルコフ氏の『ジミ・ヘンドリックス・ライブ・イン・ルビフ』など12カ国の作家の13作品が選ばれた。最終候補作6作品は今年4月18日に、受賞作は5月23日にロンドンでの授賞式で発表される。

シン・ヒョリョン記者

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