韓国の大学でコーディング授業必須化、文系新入生たちはお手上げ状態

理系の学生たちと一緒に授業

 3月初め、韓国外国語大学社会科学分野の学科に入学した新入生のハンさん(19)は2月初め、コンピュータープログラミング言語の一つである「python」を活用した大学のコーディング講義をオンラインで受講した。この大学は専攻に関係なく、ソフトウエア関連の講義を3単位以上履修しなければ卒業できないようにしているが、新入生が入学前に授業を受けても単位として認めている。2週間にわたって受ける3単位の講義だったが、ハンさんは「毎週出す実習課題の進度さえついていけないほど文系の私には難しい授業だった」と話す。

 文系や理系に関係なく、すべての在学生にコーディングなどのソフトウエア授業を必ず履修させる大学が大幅に増え、IT分野に不慣れな文系の学生が頭を抱えている。韓国政府は第4次産業革命時代にふさわしい専門性の高いソフトウエア人材を養成するとし、2015年から「ソフトウエア中心大学」を選定している。予算を支援する代わりに、関連授業で一定の単位を満たさなければ卒業できないようにする条件を付けて制度を運営する。2015年から昨年まで約4000億ウォン(約420億円)が投入された。今年は過去最大の828億ウォン(約86億円)が全国51大学に支援される。

 コーディングに初めて接する人文・社会系専攻の学生たちは、IT関連の必須授業がいわゆる「文系侵攻」のもう一つの現場になっていると訴える。理系の学生たちと一緒に評価されているため、いい成績を取るのが難しいということだ。最近の大学入学でも理工系の学生が専攻を問わず最上位圏の大学に数多く合格しているが、入学後も文系の学生が圧倒される現象が見受けられるのだ。

 忠南大学中国語中文科の在学生ムンさん(23)は「理系の学生たちと競争するのが心配で先行学習もしてきたが、結局成績はBだった」とし「最終的にいい成績を取るのはコーディング関連学科の学生たちだったのでむなしかった」と肩を落とす。そのため、落第も多発している。韓国外国語大学の場合、昨年2月に開設された新入生を対象とする入学前のソフトウエア講義で成績がFだったか、もしくは自発的落第を選んだ学生が、定員156人のうち46人に上った。

 一つの授業当たりの学生数が多過ぎて、学校の授業だけで実力を育むことができない構造だと指摘する声も多い。梨花女子大学の場合、基礎コーディング授業の講義一つ当たりの学生数が300人に上る。成均館大学が200人、東国大学が150人など、他の大学も講義者1人当たりの学生数が100人を超えるケースが多い。韓国外国語大学社会科学部のキムさん(21)は「教授に質問をしても、回答が返ってくるのにいつも時間がかかり過ぎて、進度に付いていくのに苦労した」という。首都圏のある大学で講義をしているAさんは「100人以上の学生を教えているので、実習段階できちょうめんに見てあげられない」とし「講義当たりの学生数を50人以下に減らさなければならない」と提案した。

キム・フィウォン記者

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