日本の岸田文雄首相が韓日首脳会談で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に「2015年の慰安婦合意の履行を求め、独島問題にも言及した」とする日本メディアの報道について、韓国大統領室は17日「何も話し合われていない」としてこれを否定した。
韓国大統領室の関係者は「独島関連の話は全く出なかった。少人数の会談、拡大会談でも出なかった」と明言した。韓国外交部(省に相当)も声明で「独島は今回の韓日首脳会談で話し合われることはなかった」「独島は歴史的・地理的・国際法的に明らかに韓国固有の領土であり、わが国の領土主権に対する日本側のいかなる不当な主張も受け入れられない」と指摘した。韓国政府は誰が政権を取っても独島については「領有権問題は一切ない」との立場を維持してきた。返答の価値もないということだ。
韓国大統領室の関係者は慰安婦合意の履行問題について「話し合われた内容を全て公開するのは不適切」とした上で「文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は政権を取ると同時に『(朴槿恵〈パク・クンヘ〉前政権で合意した韓日)慰安婦合意には問題がある』として財団を解体し、事実上(合意を)破棄したが、任期末には破棄ではないと言い出した」「(野党)共に民主党がどのような立場かをまず明確にすることが、今の状況を理解するのに大きなプラスになると考えている」と述べた。
岸田首相は2015年の慰安婦合意当時、日本の外務大臣として日本側の交渉代表だった。当時の合意に基づき日本は和解・癒やし財団に10億円を拠出したが、一部の元慰安婦被害者と団体が日本からの支援を拒否し、文在寅政権当時の2019年に財団は解散した。財団の基金100億ウォン(約10億円)のうち44億ウォン(約4億4000万円)は被害者とその遺族に支払われたが、残った56億ウォン(約5億6000万円)については韓日間で解決すべき課題として残っている。
韓国外交部は既存の韓日慰安婦合意について「有効であり尊重する」との立場だという。旧日本軍慰安婦犠牲者の名誉と尊厳を尊重するという原則に基づき、合意の精神を今後も履行する方針のようだ。
キム・ミンソ記者