米政府による規制緩和により、サムスン電子、SKハイニックスは中国に設置した半導体工場を維持できるほか、部分的拡張や設備のアップグレードも可能になる見通しだ。米国の制裁で中国国内の半導体工場閉鎖や撤収という最悪のシナリオまで覚悟した韓国半導体業界の「中国リスク」が低下した格好だ。
米商務省は21日、自国の半導体法で補助金を受け取る企業について、10年間中国などへの投資を禁じる「ガードレール(安全装置)条項」の詳細を発表した。それによると、中国への大規模投資は難しいが、韓米政府の緊密な協議を通じ、規定の細部はかなり緩和されたと受け止められている。
米政府による半導体補助金を受け取る企業は中国国内の工場で生産能力を今後10年間に5%以内で拡張することが可能だ。また、先端製造プロセスの半導体ではなく旧式プロセスの場合、既存工場の生産能力拡張を10年間で10%まで認める。旧式プロセスは28ナノメートル以上のシステム半導体、128層未満のNAND型フラッシュメモリー、18ナノメートルを超えるDRAMを意味する。さらに、生産量の85%以上が中国の内需市場で消費される場合には、10%以上の設備投資、工場新設も可能になる。当初の懸念とは異なり、規制はかなり緩和された。ただ、米政府の補助金を受け取る企業は中国企業との技術共同研究などが制限される。
今回の発表によると、韓国半導体業界がこれまで懸念していた中国国内の工場の技術・製造プロセスのアップグレード投資に加え、設備交換も可能と解釈できる。先端プロセスで5%、旧式プロセスでは10%という設備拡張制限条項さえ守れば、ひとまず10年間は中国工場を安定して稼働できることになった。半導体業界関係者は「政府が積極的に取り組み、韓国企業にやや友好的な詳細規定になった」と話した。サムスン電子とSKハイニックスは同日、「発表内容を詳しく検討し、今後の対応方向を決める計画だ」と表明した。
朴淳燦(パク・スンチャン)記者、ワシントン=イ・ミンソク特派員