「金日成の肖像画を指差した妊婦を処刑…人体実験も」

処刑事例などを収めた「北朝鮮人権報告書」公開

 (アンカー)

 2016年に北朝鮮人権法が制定された後、韓国政府は毎年、北朝鮮人権報告書を発行しつつも一般には公開しませんでした。北朝鮮の反発を懸念したからでした。今年初めて公開されることになりましたが、その内容は衝撃的です。440ページを超える報告書には、公開処刑をはじめ強制出産、生体実験など反人権的な行いが赤裸々につづられています。

 イ・チェヒョン記者が取材しました。

【TV朝鮮ニュース動画】「金日成の肖像画を指差した妊婦を処刑…人体実験も」

 (記者リポート)

 (イ・ヨンラン/脱北者)

 「膝を突かせておいて、顔面を全部覆って銃殺するんです。(母親が)私の横にいましたが、泣き続けるんです。他の人がけんかするのを止めたのに、こんなことになったと」

 2016年に脱北したイ・ヨンランさんは、公開処刑を目撃したときのことが目に浮かぶ、と証言しました。

 今年初めて一般に公開された北朝鮮人権報告書には、北朝鮮政権の公開処刑など、人権侵害事例が多数載っていました。

 10代の青少年らが韓国の映像物を見てアヘンを使用したという理由で銃殺されたり、家の中で踊りながら指で金日成(キム・イルソン)の肖像画を差す動きをした妊娠6カ月の女性は、その動画が一般にばらまかれて公開処刑されたという証言もあります。

 脱北の途中、中国に滞在して強制送還された女性が、中国人との混血児を妊娠したという理由で強制出産させられ、新生児を殺されたこともありました。

 (キム・ソンヨン/2018年脱北、5年間の収監を経験)

 「(脱北の途中)中国で暮らしてから、送還されてくる女性たち、いるじゃないですか。“完全にイヌの種を付けてきた”って、無条件にみんな葬るんですよ」

 (チ・ヒョンア/脱北者〈2018年、国務省での証言〉)

 「麻酔なしの強制堕胎をされました。机の上に寝かせられて、混血を認めないという理由で…」

 反体制派の人物が収監される政治犯収容所は依然として5カ所運営中であることが把握されました。

 (チェ・ギョンヒ/SAND研究所長)

 「金正恩(キム・ジョンウン)政権になって、人権の重要性を引き続き誇示しようとする努力をしています。ですが、人権という価値を嫌うことで体制が存続しますから」

 身体障害者や精神疾患者は83号管理所というところで生体実験の対象にされるという証言も収められました。

 テレビ朝鮮、イ・チェヒョンでした。

(2023年3月30日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)

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