【独自】文在寅政権、韓国産業界の温室効果ガス削減目標を任期満了前に44%上方修正

【独自】文在寅政権、韓国産業界の温室効果ガス削減目標を任期満了前に44%上方修正

 韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相は10日、炭素排出量を2030年までに40%削減すると発表した文在寅(ムン・ジェイン)政権の国家温室効果ガス削減目標(NDC)について、「前政権は産業現場の意見を十分に集約することなく、任期満了を控え、無理に(削減目標を)上方修正した」と述べた。

【表】文在寅大統領任期満了前に上方修正された温室効果ガス削減目標

 韓首相は「2050炭素中立グリーン成長委員会」全体会議で、文政権が掲げた目標が「産業界と現政権に大きな負担になっている」と指摘した。韓国政府は同日、温室効果ガス40%削減目標は維持するものの、産業界による削減目標を文在寅政権が掲げた14.5%から11.4%に3.1ポイント抑える「第1次炭素中立・グリーン成長基本計画案」を審議した。

 韓首相は前政権について、「理念化した脱原発のために再生可能エネルギー目標を非現実的に設定し、産業分野による温室効果ガス削減の主要手段である原料需給および技術に対する具体的な見通しと分析もなかった」と批判した。

 林利子(イム・イジャ)国会議員(国民の力)の事務所が産業通商資源部から提出を受けた資料によると、文在寅政権が30年までに削減すると発表した韓国産業界の温室効果ガス削減量の44%に相当する1680万トンが達成困難な数値であることが判明した。

 文政権は21年、産業界の温室効果ガス排出量を18年の2億6050万トンから30年までに2億2260万トンへと14.5%(3790万トン)減らすとしたが、新政権が点検した結果、目標が非現実的であることが初めて具体的に明らかになった。韓国は他国に比べ炭素排出量が多い石油化学、鉄鋼のような製造業の割合が高いという現実を考慮せず、当時政権が定めた目標値に合わせるために数値を強引に引き上げた可能性が高い。

 無理な数値は石油化学分野で最も目立った。 文政権は化学原料のナフタを「バイオナフタ」に代替し、1180万トンの炭素を削減するとしていた。しかし、実際に可能な削減量は50万トンで23倍の差があることが分かった。産業通商資源部は「『バイオナフタ』を利用した安定的需給は現実性がない」と報告した。また、エネルギー効率の改善で250万トンを削減するという計画も「重複カウント」でされていることが明らかになった。

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