共に民主党の「現金入り封筒疑惑」、国会議員2人など9人に出国禁止

 共に民主党の宋永吉(ソン・ヨンギル)元代表は22日、パリで記者会見を開き、2021年の党大会当時の現金入り封筒ばらまき疑惑について、「全く知らなかった」と述べた。しかし、取材陣が「現金入り封筒を直接準備した状況が明らかになったが、どう釈明するつもりか」と尋ねると、宋元代表は「(韓国に)帰って一つ一つ説明する」と即答を避けた。

【表】共に民主現金入り封筒疑惑録音ファイル、宋永吉前代表に関する部分

 宋元代表が疑惑を繰り返し否認する中、検察は23日までに、宋元代表が直接現金入り封筒の配布に関与したことを示す録音ファイルと証言などを土台に捜査を継続する方針を固めた。21年4月10日、姜来求(カン・レグ、元韓国水資源公社常任監査委員)氏が李ジョン根(イ・ジョングン)元民主党事務副総長との電話で、「ヨンギルさん(当時の宋永吉党代表候補)が『言われなくても自分が少し処理してやった。 もっと頑張れ』と言っていた。ヨンギルさんがどこで入手したのかは分からないが、かなり処理していた」と話す部分が李ジョン根氏の録音ファイルに登場する。李ジョン根氏が「これ以上やらなくてもいいのか」と尋ねると、姜来求氏が「ヨンギルさんに聞いてほしい」と発言する部分もある。

 事件を捜査中の検察は、尹官石(ユン・グァンソク)、李成万(イ・ソンマン)の両国会議員、宋元代表の元補佐官P氏、姜来求氏、李ジョン根氏ら被疑者9人の出国を禁止したもようだ。検察は事件関係者らが口裏合わせと懐柔工作で証拠を隠滅する恐れがあるとみている。

 これに先立ち検察は21日、姜来求氏に対する逮捕状が棄却されたことから、「補強捜査を通じ、令状再請求を検討するなど迅速で厳正に捜査を継続する」と説明した。裁判所も姜来求氏の令状請求棄却に際し、「主な疑惑に対する証拠は一定部分収集されているとみられる」と判断した。司法関係者は「姜来求氏は『上層部』ではないので裁判所が令状交付をためらったのではないか」とし、「今後『上層部』に対する令状が請求されれば、裁判所は異なる結論を下す可能性が高い」と話した。

 検察はまた、21年の民主党大会当時にばらまかれたとみられる現金入り封筒9400万ウォン分のうち7000万ウォンが当時の宋永吉党代表候補の補佐官P氏を通じて配布された点に注目している。うち6000万ウォンはP氏と李ジョン根氏を順に経由し、尹官石議員に渡り、尹議員がそれを民主党の現職議員10人余りに渡したとされる。当時李氏は尹議員に現金入り封筒を渡した際、P氏に「渡した」というメッセージを送っていたことも判明している。

 検察はP氏に先に出頭を求めて取り調べた後、尹官石、李成万の両議員ら被疑者を順に呼んで取り調べる見通しだ。司法関係者からは「検察は宋永吉元代表を最終段階で取り調べるのではないか」との観測が出ている。

宋元亨(ソン・ウォンヒョン)記者


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  • ▲共に民主党の宋永吉(ソン・ヨンギル)元代表は22日、パリ市内で韓国の特派員と会い、2021年の党大会での現金入り封筒疑惑に対する立場を表明した。 /聯合ニュース
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