再び「100円=1000ウォン」時代…弱い円よりさらに弱いウォン

 このため、ウォンは円以外の通貨に比べさらに下落。27日には対ユーロ相場が一時1ユーロ=1483ウォンまで下落し、14年3月以来の1480ウォン台を付けた。対人民元でも1元=193ウォンを付け、昨年末に比べ6.3%ウォン安が進んだ。 急激なウォン安は海外送金を直撃。子どもが留学しているKさん(50)は、「送金が大きな負担なのに、ウォン安が急に進み、まともな気分ではいられない」と話した。

■対日旅行赤字、貿易赤字の悪化懸念

 通常は対ウォンで円高になれば、韓国企業の製品は輸出市場で日本製品より価格競争力が高まる。しかし、現在の輸出不振は世界的な景気低迷による需要不足が原因であり、ウォン安は輸出増大にさほど役立たないとみられている。国際決済銀行(BIS)によると、2月現在でウォン、円の実質実効為替レートはそれぞれ96.26、77.96で、円が依然としてウォンに比べて競争力を持っている。

 こうした中で対円でウォン安が進めば、慢性的な対日貿易収支赤字が深刻化する可能性がある。日本から主要素材・部品・設備などを輸入する企業も生産原価が上昇し、収益性が悪化する。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「韓国は対日貿易で恒常的に赤字だ。ウォン安で赤字幅が拡大すると、韓国企業には大きな負担になる」と話した。

 対日旅行収支の改善も難しそうだ。円が上昇してもコロナ後の「リベンジ消費」「リベンジ旅行」の心理があまりに強く、日本への旅行需要がなかなか低下しない。日本の観光庁によると、今年1-3月には約160万人の韓国人が日本を訪れ、1人当たり12万5000円、合計1999億円を使った。

 韓国と日本の1人当たり国内総生産(GDP)逆転も先に延びそうだ。 日本経済研究センター(JCER)は昨年末、今年の韓国の1人当たりGDPが3万4505ドルとなり、日本(3万3334ドル)を抜くと予想した。しかし、今年は予想外の大幅なウォン安が続いており、韓日の1人当たりGDP逆転は困難だとの見方が出ている。

崔奎ミン(チェ・ギュミン)記者、金智燮(キム・ジソプ)記者

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