【独自】福島の汚染水、韓日で共同検証へ…IAEAとは別個に実施

首脳会談後、韓国代表団を派遣

 野党は、日本がIAEAにかなりの分担金を出していることを理由に挙げて「独立的な国際共助機構」を通した検証や国際海洋法裁判所(ITLOS)提訴を通した放流阻止などを要求してきた。だがITLOS提訴は、文在寅政権でも内部の検討を行ったものの「実効性がない」と判断されたという。

 与党はこれを、野党側による政治争点化や「デマ扇動」だとしつつも、内部では対応の方法やレベルについて苦慮していた。与党関係者は「韓国国民の健康と直結するデリケートな事案なので、来年の総選挙で不利な課題として作用しかねない。実際、漁業従事者が多い釜山・慶尚南道で民心が悪化する傾向も現れている」と語った。このため与党は今月2日、「われわれの海を守る検証TF」を発足させ、「科学的事実と明確なファクトに基づいた国民健康安全対策を整備する」とした。外交部などもこうした世論を考慮して、日本との協議のたびに前向きな措置を要求してきた。最終的に、韓日両国が「共同検証」という特段の対策で暫定合意したと伝えられている。国際社会においては、中国・ドイツなどが日本に対し検証に関して問題提起を行ったことがあるが、IAEAとは別個の検証に合意した例は現在までのところない。

 専門家らは「福島汚染処理水問題は外交・感情ではなく科学の問題」だとし、「顕微鏡で見るような細かな検証は必ずやるべきだが、政界がデマをばらまいて政争化に没頭するのは控えるべき」と口を揃えた。与党TFに参加しているチョン・ヨンフンKAIST(韓国科学技術院)原子力・量子工学科教授は「IAEAの調査結果は科学に依拠した結果であって、信頼すべき」だとし、「まず科学的事実を見て、それから国民感情に目を向けるべき」と語った。

 姜建旭(カン・ゴンウク)ソウル大学医学研究院放射線医学研究所長も「2011年の福島原発事故から2年間、浄化処理がなされていない放流水が海に流れ込んだが、太平洋の海流に乗って全部浄化され、韓国の海域に影響を及ぼさなかった」とし、さらに「今、中国の原発は(放射性物質の)三重水素の濃度が日本の10倍にもなる放流水を西海に流しているが、韓国には何の問題もない」と述べた。TF委員長を務める成一鍾(ソン・イルジョン)議員は「われわれが日本の立場をかばってやる必要はないが、日本が科学的基準と国際法を守ったにもかかわらずこれを外交・政治問題に飛び火させたら、国益の害になる」と語った。

キム・ウンジュン記者、キム・ジョンファン記者

【表】「福島汚染処理水」IAEAのモニタリングタスクフォースと韓日で暫定合意した検証作業

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【独自】福島の汚染水、韓日で共同検証へ…IAEAとは別個に実施
  • 【独自】福島の汚染水、韓日で共同検証へ…IAEAとは別個に実施

right

あわせて読みたい