「反日扇動やめろ」「屈従外交するな」…岸田首相来韓で賛成派・反対派のデモ隊が対峙 /ソウル

「反日扇動はやめろ」「親日はやめろ」

 7日午後、ソウル市竜山区の韓国大統領室近くで、日本の岸田文雄首相の来韓を歓迎するデモと、糾弾するデモが開かれた。それぞれのデモの参加者たちは相手側に向かってののしり言葉を浴びせたり、大声を上げたりした。物理的な衝突はなかったが、警備に当たっていた警察官が自制を求める場面もあった。

【写真】太極旗や日の丸などを掲げて岸田首相を歓迎する保守系団体のメンバーたち

 革新系市民団体「平和と統一を開く人々」のメンバー約30人は同日午後、ソウル市竜山区の戦争記念館前で岸田首相の来韓に反対するデモを開いた。

 このデモのある参加者は「岸田首相は今日、どんな顔で一切の謝罪もなく、この地を汚すために来ようというのか」「加害者の日本に免罪符を与え、再び日本が韓半島を侵奪できるレッドカーペットを尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は敷いてやっている」と主張した。

 同団体のメンバーたちは「日本の岸田政権は違法な植民地支配を謝罪せよ」「尹政権は対日屈従外交を中止せよ」などのシュプレヒコールを上げた。デモの司会者は「『両親の日(5月8日)』が近いから親孝行しなければならないのに、国がこんな状況だから家のことはしないでここに来た」と話した。

 だが、この場所からわずか20-30メートルしか離れていない所では、同団体に対抗するデモが開かれていた。

 保守系市民団体「新自由連帯」側からも戦争記念館前に50人が集まり、「岸田首相の答礼訪問を歓迎します」などのシュプレヒコールを上げた。同団体のメンバーたちは「韓米同盟強化」と書かれた赤いビブスを着て、太極旗(韓国国旗)と共に日の丸(日本国旗)と星条旗(米国国旗)を振った。同団体の関係者は「岸田首相に見えるよう韓国大統領執務室に向かって国旗を振った」と説明した。

 双方のデモ参加者たちが相手側に向かってののしったり、大声を上げたりするという一幕もあった。

 「新自由連帯」側のデモ司会者は「反日扇動はやめろ」と「平和と統一を開く人々」のデモ隊に向かって大声で叫び、この大声で「平和と統一を開く人々」側の演説が聞こえなくなった。すると、「平和と統一を開く人々」のデモ参加者たちは「この×××(日本人に対する卑称)め。親日はやめろ」「うるさくするな」「妨害するな」と抗議した。

 物理的な衝突はなかったものの、大声でのやり取りが続くや、両団体の間をふさぐように立っていた警察官たちが前に出て来て、双方の参加者たちを制止する姿も見られた。

 また、この日は別の革新系市民団体「韓日歴史正義平和行動」も同じ場所で記者会見を開き、「日本の歴史歪曲(わいきょく) 岸田首相訪韓を糾弾する」と主張した。同団体のメンバーたちは「日帝(帝国主義の日本)による強制動員を謝罪・賠償せよ」「独島(日本名:竹島)の領有権を主張する岸田首相の訪韓糾弾」などのシュプレヒコールも上げた。

 この時も岸田首相来韓歓迎派と反対派の双方で大声が飛び交った。「韓日歴史正義平和行動」の記者会見出席者が「尹錫悦を打倒しよう」と叫ぶと、「新自由連帯」側は「大庄洞(土地開発疑惑)の李在明(イ・ジェミョン=野党・共に民主党代表)を逮捕せよ」と対抗した。

 韓日首脳会談のための日本の首相による来韓は、2011年10月の野田佳彦首相=当時=以来12年ぶりだ。今回の岸田首相の来韓により、韓日両首脳が行き来する「シャトル外交」も12年ぶりに復活した。

チョン・ヘミン記者、チャン・グンウク記者

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  • ▲7日午後、ソウル市竜山区の韓国大統領室前で記者会見を開き、「日本の岸田首相の訪韓を糾弾する」と主張した革新系市民団体「韓日歴史正義平和行動」の関係者たち。写真=チョン・ヘミン記者
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