岸田裕子夫人が「満月壺」を見に行った理由…一度粉々になったものを復元した作品だった

「韓日関係を改善しよう」という意志の表れ

 韓日首脳の令夫人が8日、ソウル市竜山区のLeeum美術館を訪れ、「朝鮮の白磁、君子志向」特別展を共に鑑賞した。なぜ、わざわざこの展示を選んだのか。白磁という象徴性、そして韓日が協力して作った展示だからだ。

【写真】金建希夫人と岸田裕子夫人、白磁を背景に記念撮影

 金建希(キム・ゴンヒ)夫人はこの日、岸田裕子夫人に「東京国立博物館、日本民藝館など日本の六つの機関から白磁を貸してもらった」とし「両国が協力して興した文化交流と和合の展示」と語ったという。大統領室が明かした。

 白磁は、韓日関係において欠かすことのできない遺物だ。日本では壬辰倭乱(じんしんわらん。文禄・慶長の役)以前から朝鮮の影響を受けて陶器作りが始まり、戦乱中に日本へ連れていかれた朝鮮の陶工らによって日本の磁器が誕生した。有田に定着した李参平、鹿児島を代表する沈寿官などが名を上げ、彼らの作った磁器が欧州に売れたことで世界史的な交流が起きた。

 展示された朝鮮白磁185点のうち、日本から借りてきたものだけでも34点。両夫人が共に鑑賞した白磁の中には、大阪市立東洋陶磁美術館が所蔵している「白磁壺(こ/つぼ)」(満月壺、タルハンアリ)があった。奈良の東大寺塔頭(たっちゅう)観音院が持っていたものだが、泥棒が盗んで逃げる際に落として粉々になってしまった。寺から同美術館にその破片の寄贈があり、美術館側で完璧に復元した。文化界のある人物は「12年ぶりのシャトル外交再開で期待値が高まっているだけに、かつて粉々になった韓日関係を、満月壺のように完璧に復元しようという意志が読み取れる」とし「両国の文化交流も一段と活発に行われることを期待する」と語った。

許允僖(ホ・ユンヒ)記者

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  • ▲金建希夫人(写真右)と岸田裕子夫人が8日、Leeum美術館(ソウル市竜山区)の「朝鮮の白磁、君子志向」特別展で展示された満月壺を鑑賞している。/写真=大統領室
  • 岸田裕子夫人が「満月壺」を見に行った理由…一度粉々になったものを復元した作品だった

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