原発立地地域の電気料金、日本では値上げをしていなかった【5月18日付社説】

原発立地地域の電気料金、日本では値上げをしていなかった【5月18日付社説】

 日本では電力会社10社が地域ごとに電力供給を担当する。地域ごとに電気料金体系が異なる。電力会社10社のうち7社が6月から家庭電気料金を14-42%引き上げることを決めた。4人家族の世帯で約2万-5万2000ウォンの値上がりとなる。日本の電気料金は韓国の約2倍となる。

【図】文在寅政権の脱原発に伴う電気料金値上げ

 注目すべき点は福島原発事故以降、日本で原発を稼働している関西電力と九州電力は料金値上げを見送る。液化天然ガス(LNG)、石炭など国際エネルギー価格の高騰による影響が小さいためだ。東京電力はLNG・石炭など化石燃料による発電割合が77%、北海道電力は64%だ。一方、原発のある関西電力はLNGなどの割合が43%、九州電力は36%にとどまる。値上げ前の時点でも東京電力管内の東京の家庭の電気料金は関西電力が管轄する大阪より約20%高いが、格差はさらに拡大する。中部電力は化石燃料の割合が64%と高いが、料金体系が異なるため、今回の料金値上げから除外された。

 原発を稼働できなかった東京電力は昨年4-12月に過去最大の約6兆3000億ウォンの赤字を出したのに対し、原発を稼働した関西電力の赤字は約1兆2000億ウォンにとどまった。そこで日本政府は昨年12月現在で6%の原発による発電割合を2030年までに20-22%に引き上げる計画を決定した。

 韓国の電気料金が世界各国より割安なのは、25基の原発を運用する原子力大国であるためだ。4月の韓国電力公社(韓電)による1キロワット時当たりの発電単価を見ると、原子力は37ウォン、LNGは197ウォン、石炭は187ウォン、太陽光は156ウォンだった。それにもかかわらず、文在寅(ムン・ジェイン)政権は最も安くて安定的かつ温室効果ガスを排出しない原発を放棄する脱原発政策を推進した。当然電気料金を引き上げるしかないが、脱原発責任論の高まりを恐れ、任期の5年間に韓電が1電気料金の値上げを10回要求したにもかかわらず黙殺した。この負担により、韓電は昨年32兆ウォン、今年1-3月には6兆ウォンの赤字を出した。

 脱原発ほど国家に害を及ぼした政策も珍しい。それでも発電割30%前後を守っている原子力があるからこそ、韓国経済が持ちこたえている。考えれば考えるほど、文政権の脱原発の無謀さと無知、固執に舌打ちしたくなる。

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