攻勢をかける米国に中国が反撃開始、厳しい選択迫られた韓国半導体業界【5月23日付社説】

攻勢をかける米国に中国が反撃開始、厳しい選択迫られた韓国半導体業界【5月23日付社説】

 中国が米国の半導体大手マイクロンの製品にセキュリティー上のリスクが発見されたという理由で制裁措置を発表した。重要な情報インフラでマイクロン製品の購入を中断するとした。米国が同じ理由で中国の華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)に対する制裁を発動してから4年目に中国が反撃に出たのだ。米中半導体戦争が互いに制裁が飛び交う本格的な対決局面を迎えている。

【まとめ】中国の米マイクロン制裁による韓国半導体業界への影響

 中国の措置はマイクロンに対する調査に着手してわずか7週間で下された。G7サミットの閉幕に合わせようと政治的タイミングも考慮したとみられるが、中国は戦略的に準備した反撃カードを切ったと言える。マイクロンにとっては、昨年4兆ウォン(約4100億円)を売り上げた中国への販路が断たれると影響が大きいが、中国はマイクロンから輸入していたNAND型フラッシュメモリーは長江存儲科技(YMTC)など中国企業、DRAMは韓国のサムスン電子とSKハイニックスからそれぞれ調達が可能だ。米国企業に打撃を与えながら、自国に必要なサプライチェーンへの影響は最小限に抑えられるという計算だ。

 米中半導体戦争はこれまで「チップ4(韓・米・日・台)同盟」と「半導体支援法」など米国の一方的な中国包囲戦略で推移してきた。そこに中国も反撃に乗り出し、半導体陣営で対立が表面化している。問題は韓国が難しい選択を迫られかねない事実だ。中国の制裁で韓国企業が短期的利益を得ることもあり得るが、米国がマイクロンに代わる中国への半導体輸出を自粛するよう要請してくることも考えられる。世界の半導体消費の24%を占める中国も、巨額の半導体設計資産を保有している米国も韓国としては無視できない国だ。

 米中技術戦争はどちらかの一方的な勝利や敗北に終わることはないだろう。最大の半導体輸入国である中国市場が低迷すれば、米国の半導体産業も影響を受けるからだ。しかし、過去10年間に100兆ウォン以上をつぎ込み、ついに「半導体崛起(くっき)」を成し遂げようとしている中国と、中国抜きの半導体サプライチェーンを完成させようとする米国の力比べは今後も続く可能性が高い。ますますエスカレートする可能性もある。この殺伐とした半導体戦争の中で、韓国は国益を最大化する賢明な選択を迫られる。私たちが情勢を左右するテコを持つためには、世界の技術競争で不可欠の重要技術を確保しなければならない。

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