関東大震災の朝鮮人虐殺を動物園のライオンに例えた日本の大臣【独自】

野党議員「当時の公権力介入」質問時、日本の治安責任者・国家公安委員長が答える
「最近の地震でライオン逃亡したという流言飛語のように、大地震の混乱時は流言飛語が出る」

 日本の国家公安委員会の谷公一・委員長兼内閣府特命担当大臣(防災・海洋政策)が1923年の関東大震災で起こった朝鮮人大虐殺に関連し、動物園から逃げたライオンに例える発言をした。日本の治安の最高責任者が、国会で当時の虐殺に対し謝罪をするどころか、警察など公権力の関与を否定する中でこのような不適切な表現が飛び出したものだ。

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 今年9月1日に発生から100年を迎える関東大震災では、約10万5000人が死亡し、住宅37万軒が被害に遭った日本史上最悪の災害の一つだ。マグニチュード(M)7.9の強い地震が日本の首都・東京と関東一帯を直撃し、大きな被害が出た。当時、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言飛語が飛び交い、日本人の手によって多数の朝鮮人が殺害された。日本の内務省の治安責任者が「朝鮮人の暴動」を認めたことで、犠牲者はさらに増えた。この事件に関して、きちんとした調査や真相糾明が行われたことはない。

 これに関し、23日の参議院内閣委員会で、杉尾秀哉参議院議員(立憲民主党)は日本の治安に関する最高責任者である谷浩一・国家公安委員長に関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺事件における警察など公権力の関与を調査するよう求めた。治安責任者の谷委員長は「政府が調査したところでは事実関係を把握する記録は見つからなかった」と答えた。杉尾議員が再度、「日本政府の中央防災会議報告書がある」「国立国会図書館にも日本の有識者たちが書いた文書がある」と追及したが、谷委員長は「記録を見つけることはできない」という答弁ばかりを繰り返した。

 日本の国会で、関東大震災による朝鮮人虐殺に関連し、政府と野党の間で舌戦が繰り広げられたのは100年ぶりのことだ。1923年の帝国議会で、田淵豊吉議員(無所属)と永井柳太郎議員(憲政会・立憲民政党)が日本政府に朝鮮人虐殺問題を提起したことがある。

 杉尾議員は同じ答弁を繰り返す谷委員長に「答弁書を読むだけでなく、自分の言葉で答弁していただけないか」「今年は関東大震災から100年となる年であり、今回の機会を逃せば永遠に機会がなくなるだろう」と言った。こうした指摘に、ムッとした谷委員長は「私が責任を持って述べる言葉だ」「過去の大災害の時に多くのことが起きた。最近も熊本地震の時、動物園からライオンが逃げたという事実ではない話が出て、人々を不安にさせた」と反論した。その上で、「過去の大災害における流言飛語への対応については、我々は歴史から謙虚に学び、安全・安心の確保につなげていく必要がある。二度と起きないようにするのが責務だ」と話した。これに対して杉尾議員は「今、動物園からライオンが逃げたという話ではない。人の命の話なんだ」「これ以上、政府は(この問題から)逃げ続ける訳にはいかない」と述べた。

成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

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