韓国検察「金正恩にも50億ウォン支援の約束が報告された」証拠文書を提出…李華泳・サンバンウル対北送金疑惑

 韓国検察当局は2019年当時の下着メーカー、サンバンウルによる対北朝鮮送金疑惑を裏付ける国家情報院の内部文書を李華泳(イ・ファヨン)元京畿道平和副知事の外国為替管理法違反事件の裁判に証拠として提出することを決めた。

【写真】北当局者が大声で「京畿道はどの面下げて来たのか」…たじろぐ李華泳副知事

 水原地裁で23日に開かれた李元副知事の公判で、検察は国家情報院職員A氏が作成した報告書を証拠として申請すると表明した。検察は「被告は18年の訪朝時、北朝鮮の朝鮮アジア太平洋委員会のキム・ソンヘ室長にスマートファーム整備事業費として50億ウォン(約5億2500万円)を支援することを約束したが、(李元副知事が)守らず、キム・ソンヘ氏が窮地に立たされた事実が確認された」とし、「国家情報院から押収資料を追加証拠として申請する」とした。

 これに先立ち、検察は19日、裁判所が交付した令状で捜索を行い、北朝鮮への送金がなされた当時、国家情報院が作成した関連文書を確保した。「2級機密」に該当する同文書には、アジア太平洋平和交流協会のアン・ブス会長が「李華泳氏による支援の約束は、金正恩(キム・ジョンウン)氏にも報告され、約束が守られなかったため、北朝鮮側が『200万-300万ドルでも先に欲しい』と言った」と語ったとする内容も含まれているという。

 国家情報院への捜索はアン会長が裁判で「対北朝鮮送金に関する内容を国家情報院に報告した」と証言したことがきっかけだった。検察は19年、サンバンウルのキム・ソンテ元会長が李元副知事に代わり、当時京畿道知事による訪朝経費などの名目で800万ドルを北朝鮮に渡したとみている。

 これに対し、李元副知事側は「当時は対北朝鮮制裁があり、現金支援を約束したということ自体がおかしい」として、スマートファーム事業への支援はもちろん、サンバンウルの送金関与疑惑も全て否認している。

 今回の公判では、李元副知事とサンバンウルグループのキム・ソンテ元会長が法廷で初めて対面した。証人として出廷したキム元会長は「申し訳ないが私も起訴され、捜査を受けている」とし、「記録を見ることができず、証言が難しい」と語った。裁判所が「事実関係に争いのない部分に対してだけ、質問するのはどうか」と尋ねたが、キム元会長は繰り返し証言を拒否し、証人尋問は10分で終了した。

 一方、水原地裁は同日、アン会長に対する一審で、外国為替取引法違反、特定経済犯罪加重処罰法上の横領、証拠隠匿教唆などの罪で懲役3年6月を言い渡した。

キム・スオン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲李華泳・元京畿道平和副知事/ニュース1

right

あわせて読みたい