セウォル号特別調査委でトップ務めた弁護士、徴用被害者遺族に「成功報酬」を要求【独自】

セウォル号特別調査委でトップ務めた弁護士、徴用被害者遺族に「成功報酬」を要求【独自】

 日本による戦時中の徴用工問題で韓国政府の「第三者返済方式」による解決策に賛成し。新日本製鉄による徴用工被害者遺族が先月、賠償金を受け取った後、訴訟代理人から賠償金の10%の「成功報酬」を要求されていたことが分かった。損害賠償を請求する民事訴訟では成功報酬を取り決めることは多いが、遺族は既に死亡している被害者が弁護士とそうした契約を結んでいた事実を最近まで知らなかったため、報酬の支払いに反対している。

【図】2018年地方選直前にばらまかれたセウォル号支援金

 2018年10月に大法院で勝訴が確定した被害者4人のうち一部は韓国政府による解決策に賛成し、今年4月に約2億ウォン(約2100万円)の賠償金と延滞利息を受け取った。その後、訴訟代理人が賠償金を受け取った遺族に接触し、過去に被害者本人と報酬の支払いで合意していた事実に言及。賠償金の10%を支払うよう要求したという。これに先立ち、被害者支援団体である「日帝強制動員市民の会」が三菱重工業の徴用工被害者5人と11年前に交わした合意を根拠に賠償金の20%を要求し論議を呼んだ。

 遺族に連絡したJ弁護士は民主社会のための弁護士会(民弁)で歴史問題を扱った過去史委員長出身で文在寅(ムン・ジェイン)政権では加湿器殺菌剤事件とセウォル号事故の特別調査委員会で委員長を務めた。今年4月には大法院前で韓国政府による解決策を批判する集会に参加した。ある遺族は「証拠書類や内容証明郵便もなしに賠償金の一部を支払うことに言及し、会いたいと伝えてきた。遺族は全く知らなかったことだ」と話した。裁判は05年2月、被害者がソウル中央地裁に提訴して始まり、大法院で勝訴を確定するまで13年かかったが、被害者は14年に死亡した。本紙は説明を聞くためにJ弁護士に電話と携帯メールで連絡したが、返答がなかった。

 こうした中、第三者弁済方式の解決策を拒否していた生存被害者1人が25日、立場を変えて賠償金受領のための法的手続きを完了した。韓国外交部の任洙ソク(イム・スソク)報道官は同日午後、「生存被害者1人が政府の解決策を受け入れた。26日に賠償金と延滞利息を支払う予定だ」と説明した。生存被害者の3人で賠償金を受け取るのは初めてだ。これで第三者弁済の対象者15人のうち11人が政府の解決策に賛成し、「生存被害者が全員反対している」という野党と市民団体の主張は力を失うことになりそうだ。

金隠仲(キム・ウンジュン)記者

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