「汚染水巡る『怪談』、事実であれば来月から韓日の刺身店はすべて廃業するべき」

米国文化院占拠を主導したハム・ウンギョン氏

 「反日感情を利用してデマやフェイクニュースで利益を得ようとする政治家や詐欺師たち。彼らの言葉通りなら、汚染水が放出される6月から日本と大韓民国の刺身店はすべて廃業しなければならないでしょう」

 刺身店「ネモ船長」を経営するハム・ウンギョン氏(59)は25日、「汚染水のデマはやめるべきだ」と主張した。同氏は本紙の電話取材に「科学的に検証されていないこのようなデマのせいで、国民はもちろん水産業従事者や刺身店経営者は恐怖におののいている」と話した。同氏は1982年にソウル大学物理学科に入学、学生運動団体「三民闘争委員会」共同委員長を務め、1985年5月のソウル米国文化院占拠事件を主導した。現在はフェイクニュース追放を目標に組織された市民団体「正しい言論市民行動」で活動している。

 ハム・ウンギョン氏は「韓国の海にトリチウム(三重水素)検出装置があるほか、国際原子力機関(IAEA)から福島の汚染水のサンプルも提供を受けて検査しているところだ」「韓国の視察団が日本に行き、さまざまな検証をしているのだから、韓国政府は科学的根拠を通じて国民を安心させなければならない」と言った。

 ハム・ウンギョン氏は「福島原発汚染水の危険性は誇張されている。ほぼデマと言っていい水準だ」と主張した。同氏はその根拠として、韓国科学技術院(KAIST)のチョン・ヨンフン教授が日本のタンクに入っているトリチウムの量を計算したことに言及し、「2020年に120万トンの汚染処理水に入っているトリチウムの量は3グラムだった」と明らかにした。そして、「自然界では宇宙の放射線で発生するトリチウムが大気圏に毎年216グラムあるが、このうち韓国の東海(日本名:日本海)に雨として降る量は毎年3グラム以上だ」と語った。その上で、「中国が(同国の)原子力発電所から捨てるトリチウムの方が日本の原発処理水より多いのにもかかわらず、中国に対しては何も言わない」「これが日本だから問題にするのであって、トリチウムを問題視しているのではない。反日キャンペーンの火付け役であり、科学や真実とは何の関係もない」と指摘した。

 科学の領域を越えて政争の道具に変質した福島原発汚染水問題について、ハム・ウンギョン氏は「韓国政府視察団が帰国し、事実を話しても論争は終わらない」とみている。そして、この問題の解決方法については「国民大討論会を開き、(容認派と反対派の)双方を呼んで徹底討論を通じて結論を出さなければならない」と述べた。

キム・ミョンソン記者

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  • ▲全羅北道群山市内にある刺身店「ネモ船長」の経営者ハム・ウンギョン氏。同氏は1985年のソウル米国文化院占拠事件の主導者で、学生運動団体「三民闘争委員会」の委員長を務めた。

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