スーパー台風直撃のグアム、ホテルの客室崩壊…韓国人観光客3400人が足止め「水も薬も手に入らない」

 「家族旅行の団体客には60-70代の高齢者も多いので、血圧や糖尿の薬、インシュリンなども足りません。台風の中を無理して薬局に行ってもどこも閉まっているので、絶望的な状況です」

 「スーパー台風」マワールが西太平洋のリゾート地グアムを通過し、影響で現地の空港が閉鎖されたため、3400人の韓国人観光客が4日間にわたり足止めされた状態が続いている。現地の旅行会社「モドゥツアー」の担当者は26日、本紙の電話取材に「医薬品不足や停電、断水などで韓国人観光客は悪夢のような時間を過ごしている」と伝えた。この担当者は「今後も薬がない状態が続けば、高齢者は一両日中に病院に行かねばならなくなる。しかし台風の中で病院に行っても、数百人の患者が集まっているので薬が手に入るか分からない」と説明した。

【写真】スーパー台風「マワール」の直撃を受けて崩壊したホテルの一室

 グアムでは現在、州知事が15万人の住民に緊急避難命令を出している。米国のバイデン大統領はこの地域を対象とした「非常事態宣言」を承認した。現地の空港は22日夕方から閉鎖されているが、グアム当局は「30日からの再開」を目標に復旧作業を続けている。

 現地のホテルに滞在している韓国人観光客は断水や停電で水も電気も使えない状況が続いている。非常用の薬や赤ちゃん用の紙おむつ、粉ミルクが必要な観光客はあちこちに連絡しながら助けを求めている。

 現地の韓国人観光客1400人が集まるカカオトークのチャットルームには、現地で韓国人医師らが運営する病院の住所や電話番号のリストが掲載されている。妊娠31週目となったある妊婦は「清潔な水も簡単には手に入らないので、夫は数百ドル(数万円)で買いたいとホテルに申し出ている。それでも手に入れるのは難しいとしか言われない」「おなかの中の双子が心配で、水も安心して飲めない状況だ」と伝えた。

 ちょうど一歳になったばかりの娘と共に新婚旅行を兼ねてグアムにやって来たパク・スンウさんは「娘の粉ミルクがなかなか手に入らない。コンビニでラーメンやレトルト食品を買い求めているが、これもほぼ在庫がなくなり買いにくくなった。特に3歳未満の子供は食べるものがない」と訴えた。

 客室も使えないほど破損したため、一部の旅行客が宴会場の床にタオルを敷いて夜を過ごすケースもあるという。グアムではホテルの大部分が海に向かっているため、被害は一層深刻になっているようだ。客室の窓が割れ、天井も崩壊しているため、客室に入れないという。

 今月19日からグアムに滞在しているチャンさんは「ホテルなどの施設には自家発電設備があるのでたまに電気が入るが、水はもう手に入らなくなった。ホテルの貯水タンクにあった水も全てなくなったようだ」と伝えた。チャンさんによると、水がないので観光客などは海やプールから水を汲んできてトイレなどに使用しているという。

 一部のホテルでは宿泊の延長も拒否しているため、観光客はホテルのロビーで夜を過ごすしかない。韓国外交部(省に相当)のチョン・ガン海外安全企画官は「ホテルでの浸水や、当初予約していた期間が終わったなどの理由でホテルから出るよう求められた人もいる」「そのため韓国人観光客たちはホテルの部屋を共有するとか、レンタカーで車中泊をするケースもあると聞いた」と伝えた。韓国外交部ハガニア出張所の関係者は「医薬品がなくなった方を最優先に、事案ごとに支援策を検討している」とコメントした。

オ・ジュビ記者、イ・ミジ記者、パク・ヘヨン記者

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  • ▲グアムを訪れている観光客は25日、台風2号「マワール」により被害が発生した影響でホテルにチェックインできず、ホテル内の宴会場で待機した。/読者提供
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