ゼレンスキー大統領「ウクライナ再建、韓国の防衛システム支援を切望」【朝鮮日報・独自インタビュー(下)】

戦場となったキーウで…ゼレンスキー大統領、韓国メディアと初インタビュー

-まだ韓国の支援は人道的な次元にのみとどまっています。これに関して残念に思うことはありますか。

 「武器支援に関してさまざまな限界があることは分かっている。ただし、私は韓国のこのような原則が(韓国がまだ支援していない)防衛システムや電力システム保護装置などに適用されてはならないと思う。対空防衛システムは武器ではなく純粋な防衛装置だ。ウクライナの再建のためには、『空の盾』が不可欠だ。韓国がこの分野で我々を支援することを切に願っている。また、ロシアの空襲を警告する早期警報システムもあるが、これにも韓国の助けが必要だ」

【写真】キーウ市内の執務室で朝鮮日報欧州特派員のインタビューを受けるゼレンスキー大統領

 ゼレンスキー大統領は敵国のトップであるロシアのプーチン大統領に対して、率直な感情を吐露した。ロシアの核による脅しが続いていることに対する自身の判断、中国の平和仲裁努力に対する評価、ロシアと中国の間で起こっている偽善的な行為に対する指摘も果敢に口にした。これまでの海外メディアとのインタビューではほとんど語っていないことだ。

-ロシアでは西側諸国の核の脅威を理由に、ベラルーシに戦術核の移転を開始しました。どう見るべきでしょうか。

 「今のウクライナには何の意味もない。ロシアが核で脅すのは一度や二度ではなく、あまりにも長い間繰り返されてきたため、ウクライナはもはやロシアの核兵器関連の脅威と措置を恐れることはない。ベラルーシに戦術核を移転することも、ウクライナと欧州を脅す『政治的策略』に過ぎない。他国の領土主権を侵害して核兵器を脅しに使うことはあってはならない。これに対して全世界が同意しているが、ロシアは絶えず核の脅威を『伝家の宝刀』のように振り回している。(核を悪用した)政治的脅迫は、彼らにとって残された唯一の手段だ」

-ロシアと中国の関係が密接になっていますが、戦争にはどのような影響があるでしょうか(プーチン大統領と習近平・中国国家主席は今年3月、ロシアで首脳会談を行った)。

 「中国は『外』のどこかで、西側とロシアの間で綱渡りをしようという考えだ。しかし、プーチン大統領はどうしただろうか。習近平主席との会談で、『領土の外の核兵器配備に反対する』と言っておきながら、すぐその翌週にベラルーシへの核配備を発表したのではないか。ロシアは自国とある程度近しかった国々、ロシアを正直な同盟国と考えた国々に対してもウソをつくことをあらためて強調したい。核をめぐるロシアの言葉はただの政治だ。それも失敗した政治、間違っている政治だ」

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  • ▲2023年5月、キーウ市内の執務室で、チョン・チョルファン朝鮮日報欧州特派員のインタビューを受けたウクライナのゼレンスキー大統領。写真提供=ウクライナ大統領室
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