【ソウル聯合ニュース】国際海事機関（ＩＭＯ）の海事安全委員会は３１日（現地時間）、英ロンドンにある本部で会議を開き、国際航行の安全を脅かすとして北朝鮮のミサイル発射を非難し、規定の履行を促す決議文を採択した。ＩＭＯが北朝鮮のミサイル発射を非難する決議文を採択するのは初めて。
ＩＭＯは海上の安全や船舶の国際ルールづくりを担う国連の専門機関で、北朝鮮を含む１７５カ国が加盟している。韓国出身の林基澤（イム・ギテク）氏が事務局長を務めている。
決議文は北朝鮮の弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議に違反し、ミサイル発射時に適切な事前通告をせず、船員と国際海運の安全を深刻に脅かしていると批判。北朝鮮に対し、事前通告の規定を守るよう求めた。ＩＭＯ総会の決議で運営されている世界航行警報業務（ＷＷＮＷＳ）ではミサイル・衛星発射、海上訓練などを行う場合、所属区域の調整国に５日前に通告するよう定めている。
決議文は国際航路を通過する違法かつ事前通告のない弾道ミサイル発射の中止も求めた。
北朝鮮は先月３１日の軍事偵察衛星の打ち上げに先立ち、区域調整国の日本に同２９日に通告した。事前通告は行ったものの、５日前という規定は守らなかった。ＩＭＯは同３０日、日本に通告したことを報告した。
専門機関であるＩＭＯは北朝鮮を実質的に制裁する手段がないという限界がある。ただ、今回の決議文の採択は北朝鮮への圧力を強めるという意味合いを持つ。
北朝鮮は決議文の採択を巡る議論で、休戦状態にある朝鮮半島の独特の安全保障状況を考慮しなければならず、決議文は米国などが政治的目的で北朝鮮を孤立させ、抑圧しようとする意図があると主張した。