「三清教育隊被害者に9千万ウォン補償」…数千人の提訴相次ぐ見通し

「三清教育隊被害者に9千万ウォン補償」…数千人の提訴相次ぐ見通し

 全斗煥(チョン・ドゥファン)政権当時に存在した矯正部隊「三清教育隊」に連行され、強制労働などさまざまな虐待を受けた被害者について、裁判所が韓国政府に9000万ウォン(約950万円)の賠償を命じる判決を下しました。今回の判決は死亡、負傷した人ではなく、一般の強制入所者に対する賠償判決で意味があるものの、被害者は2年半も不法拘禁されていたことを考慮すると、慰謝料が少なすぎると反発しました。ファン・ミンジ記者がお伝えします。

【TV朝鮮ニュース動画】「三清教育隊被害者に9千万ウォン補償」…数千人の提訴相次ぐ見通し

 (記者リポート)

 全斗煥軍事政権が1980年5月の非常戒厳令全国拡大直後に設置した三清教育隊。暴力団を掃討するという名目でしたが、浮浪者や無職者も連行され行強制労働などに投入しました。

 (記録映像)

 「検挙者を各軍部隊に収容し、矯正教育を実施しました」

 原告のIさんも前科があるという理由で連行され、2年半にわたり強制労働と殴打に苦しみました。その後の後遺症にも補償を受ける道はありませんでした。

 2004年に三清教育被害補償法が制定されましたが、死亡者と負傷者3000人余りに対象が限定されました。

 その後、2018年に大法院は三清教育隊の根拠である「戒厳布告13号」を違法と判断し、Iさんは20年に国を相手取り、3億ウォン(約3,175万円)の賠償を求めて提訴しました。

 裁判所は国の賠償責任を認め、慰謝料9000万ウォンの支払いを命じました。裁判所は「国家による不法拘禁で深刻な肉体的、精神的苦痛を受けた点などが考慮された」と指摘しました。国側は消滅時効の成立を主張しましたが、裁判所は時効成立要件を「不法行為を行った日から10年」ではなく、「損害を知った日から3年」だとして認めませんでした。

 Iさんは昨年、真実と和解のための過去史整理委員会(真実和解委員会)で被害者として損害を認められました。被害者側は賠償額が少なすぎるとして反発しました。

 (チョ・ヨンソン弁護士)

 「再び被害者を侮辱したものではないかと思います」

 (記者リポート)

 三清教育隊の強制入所者は約4万人。昨年、真実和解委員会が入所者全員を被害者認定しており、今後訴訟が相次ぐと予想されます。TV朝鮮のファン・ミンジがお伝えしました。

(2023年6月1日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)

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