■「ロケット打ち上げのように長期的観点必要」
4回にわたる修理を終えた今年初めの試験運航でも欠陥が発生し、ガス公社などはこれ以上性能改善は困難との立場だという。このため、水温が6度以上で気候が温暖な中東などの航路で条件付き運航は可能だと判断し、SK海運に運航を要請した。
しかし、専門家たちは「条件付き運航は弥縫(びほう)策にも劣る」と指摘する。貨物タンク技術を研究する教授は「その場しのぎの対応に続き、『水温条件付き運航』は納得できない。不完全な技術を採用したLNGタンカーを発注する船会社がどこにあるだろうか」と話した。別の造船専門家の教授も「新車を発売する際、『この車は高速道路は走れません』と広告するようなものだ」と指摘した。
技術国産化のための国策事業という趣旨を考慮し、政府が仲裁に乗り出すべきだとの意見もある。 造船業界関係者は「GT社が数百回の試行錯誤を経て、40年余りにわたり積み上げてきた技術に早く、安易に追いつこうとして発生した試行錯誤を認め、妥協点を見いだすべきだ」とし、「現在のように他人のせいだけにする訴訟戦が続けば、これまで努力した技術は永遠に生かされない」と話した。貨物タンクの国産化技術を研究してきたソン・ハチョル木浦大総長(造船海洋工学科教授)は「韓国がロケット技術を開発し、試験発射に失敗しても改善点を見つけ、着実に投資して成果を出したように、KC-1の欠陥に対する責任だけを追及するのではなく、問題解決のための意見を集約し、投資を続けなければならない」と指摘した。
イ・ジョング記者