「幼少期を過ごした竜山の旧家が懐かしいです」【朝鮮日報コラム】

1945年、米国に財産を没収されて朝鮮から追い出された日本人は71万人…彼らも歴史に飲み込まれた被害者
こう考えたら親日派なのか

 国際法は、敗戦国国民の私有財産をむやみに奪うことはできないと定める。1907年のハーグ万国平和会議で改正された「国際陸戦条規(ハーグ陸戦条約)」は、付属書第46条で「私有財産ハ之ヲ没収スルコトヲ得ス」と定めた。日本は当初、米軍政が朝鮮半島の日本人の私有財産を没収したのは国際法違反だと強く抗議した。これに対し米国は、日本から戦争賠償を受け取れなかったので米軍政に帰属した日本人財産は戦争賠償金に該当する、と主張した。48年8月に樹立された大韓民国政府は、そのおかげで、米軍政が没収した日本人財産をそのまま譲り受ける幸運にあずかった。財産を永久に奪われた日本人の個人としては、あまりにも無念なことだったろう。

 こういう事実を知って65年の韓日協定の過程を振り返ってみると、当時、韓国政府が得た結果は外交的勝利と言っても過言ではない。51年から14年4カ月にわたり、1500回も開かれた会談の過程で、日本側は「米軍政が没収した日本人私有財産を韓国政府が無償で引き継いだのは国際法違反であり、日本はこの財産を取り戻す権利がある」と主張した。日本のこうした「請求権」の主張を退け、さらに5億ドル(約702億円)を手にしたというのは大変なことだった。35年間の植民支配の苦痛をはした金で売ったと中傷するのは、歴史の具体性を忘却し、抽象的理念に陥っているからではないか。もしや、こう考えたら親日派なのか。

 本物の親日派は別にいる。日光という単語を見て日本だと思う一部の人々のことだ。日光、すなわち日の光は、人類が共同で享有する自然物だ。この言葉を日本だけが使うべきだと、韓国はこうした言葉を使ってはならないと声を強める人々こそ、日本に日の光を献納する本物の親日派ではないのか。12年ぶりに再開された韓日首脳会談シャトル外交について「屈辱」「売国」うんぬんと言う一部の人々こそ、今の時代をまだ日帝強占期だと思っている真の親日派ではないのか。

李漢洙(イ・ハンス)文化部長

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