絶滅のおそれある韓国産淡水魚クグリの災難【コラム】

絶滅のおそれある韓国産淡水魚クグリの災難【コラム】

 イタリアのトレヴィの噴水に黒い液体を注ぐ。ゴッホの絵にトマトスープをかける--。奇妙なパフォーマンスの後、「環境保護」「気候変動への対応」といったメッセージを投げかける。しかし、残された現実は噴水復旧に使われた30万リットルの水と壊れた額縁、環境活動家の家に届く警察からの出頭要求書だけだ。環境団体のこうした極端な行動は、むしろ環境問題に対する大衆の反感を引き起こす。

【写真】絶滅危惧種生Ⅱ級の韓国産淡水魚「クグリ」

 それは韓国も例外ではない。文在寅(ムン・ジェイン)政権下の昨年1月、ある環境関連団体が冬眠していた魚を起こした。4大河川堰の水門開放に伴うモニタリングを行うとし、水位が低下した康川堰付近で魚を捕獲したのだ。

 この団体が釣った魚の中には絶滅危惧種である「クグリ」(和名・ズナガドジョウカマツカ)も含まれていた。研究目的であっても、保護種の捕獲には、政府の許可手続きが必要だ。ところが、この団体はクグリを不法捕獲したばかりか、水槽に入れて記念写真までした。そして、「4大河川の堰開放でクグリが帰ってきた」と主張した。だが、この主張について、専門家は「漢江流域に元々住んでいたクグリが堰の開放で水位が下がると移動してきたものだ」と話した。堰の開放で水がきれいになってクグリが帰ってきたのではなく、以前から漢江にいたとの指摘だ。

 堰の開放効果を誇張するため、生息場所を変えたクグリを捕獲し、まるでいなかった魚が帰ってきたように「ショー」を行ったと見るほかない。その過程で絶滅危惧種を許可なしに捕まえる違法行為まで犯した。絶滅危惧種のクグリは環境団体の「ショー」のために、冬眠から目覚めなければならなかった。

 不法漁獲に対する批判が起きると、問題の団体は「今後捕獲する時は許可を受ける」と説明した。1カ月後に捕獲申請書を出したが、漢江流域環境庁は「不許可」を通知した。しかし、同団体は再び捕獲活動を行った。 政府の不許可程度は無視してもいいという環境団体の慣性による行動だろう。

 この団体の代表はソーシャルメディアに「クグリを見た」「記録だけして逃した」と書いた。1カ月前と同様、堰開放の効果で水がきれいになり、クグリが帰ってきたのを目撃し、直接捕まえたという趣旨だった。ただ、堰の開放前にもクグリがいたという話はなかった。 元々いなかったクグリが帰ってきたかのように再び「ショー」を行ったのだ。ところが、同団体の代表は絶滅危惧種を許可なく捕まえた疑いで法廷に立つと言葉を変えた。「クグリなどを見たような気がする」という他人の話を聞いて投稿したと話した。クグリが帰ってきて、それを直接捕まえたというのは「うそ」だと自白したに等しい。この人物は文在寅政権当時、堰の解体決定を下した国家水管理委員会で民間委員幹事を務めた。堰の解体成果を誇示するために「フェイクニュース」を投稿したのだ。それが4大河川の堰に反対する環境団体の「素顔」だ。

パク・サンヒョン記者

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