警察が労働組合の高所デモを鎮圧…韓国与党「正当な対応」、野党「軍事政権に回帰」

【NEWSIS】韓国警察は高所でのデモを続けていたキム・ジュンヨン韓国労総金属労連事務処長を取り押さえたが、この問題をめぐって与野党は2日、攻防を繰り広げた。

 韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は「警察による労働者鎮圧は過剰」と主張し、「野蛮と暴力の時代が再び到来した」と発言したが、これに対して与党・国民の力の李喆圭(イ・チョルギュ)事務総長は2日、同党の院内対策会議で「不法と暴力に同調するのでなければ、(李在明代表は)発言を直ちに取り下げ、国民に謝罪すべきだ」と強い語調で批判した。

▲警察がデモ現場で押収したジャングルナイフや石油タンク

 李事務総長は「ジャングルナイフで武装したデモの前で何もするなと主張するのは、公党の代表として無知であり無責任な発言だ」「李代表は正当な公務執行を不法暴力という犯罪行為と同一線上に置いて比較するな」と指摘した。

 李事務総長は「警察が法律を執行すれば暴力的対応であり、労働組合が不法な暴力を公使すれば正義の抵抗になるのか」「不法なデモを行い暴力を振るう組合の方ではなく、正当に対処した警察に非難攻撃の矢を向けることこそ、組合の暴力的抵抗をあおる行為になることを肝に銘じるべきだ」と主張した。

 その上で李事務総長は「事案に対する公党代表の認識レベルが本当に歯がゆく残念でならない」とも非難した。

 これに対して共に民主党の労働尊重実践国会議員団はこの日声明を出し「(警察による鎮圧は)明らかに公権力の乱用だ」と主張した。議員団は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権による労働組合弾圧は、公権力の不法な乱用と暴力鎮圧が行われた過去の反民主的軍事政権の時代に回帰するもの」と強く批判した。

 議員団は「警察は憲法で保障されている集会・示威の自由を無残にも踏みにじり、暴力で鎮圧した。警察こそ逆に法的判断を受けるべきだ」「キム・ジュンヨン事務処長に対する逮捕状請求は無理があり暴力的だ」とも指摘した。

 議員団はさらに「国民の生命と安全には何の関心も持たず、民主主義を後退させる行動に対しては厳重に警告する」と声を荒げた。

 共に民主党のクォン・チルスン首席報道官も2日、国会で行ったブリーフィングで「警察による強行鎮圧で労政関係は極度に対立が激しくなっている。これを仲裁すべき与党執行部は逆に労働者に対して『言葉のこん棒』を振りかざしている」と批判した。

イ・ジェウ記者

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  • ▲高所でデモ中の組合員とはしご車上の警察官。5月31日撮影。/写真=全南警察庁提供
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