共に民主報道官が哨戒艦・天安の元艦長に暴言「部下を殺しておきながらどの面下げて言っているのか」

天安の元艦長が「自爆陰謀論」批判するや
共に民主党報道官「部下たちを皆殺しにしておきながら、聞いてあきれる」

 5日、韓国最大野党「共に民主党」で党の刷新を図る革新委員長に任命された市民運動家のイ・レギョン氏が任命から約9時間後に辞任する意向を表明したが、その決定的な原因は「韓国海軍哨戒艦『天安』は自爆で沈んだのであって、撃沈されたというのはでっち上げだ」という過去の発言のためだった。イ・レギョン氏は今年2月10日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」に「自爆した『天安』の事件をでっち上げて南北関係を破たんさせた米覇権勢力」と書いていた。これは、「天安」が北朝鮮によって撃沈されたという事実を全面的に否定するものだ。

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 イ・レギョン氏の主張が伝えられるや批判が殺到、撃沈事件時に「天安」の艦長だったチェ・ウォンイル予備役海軍大領(大佐)はフェイスブックに「共に民主党代表様、顕忠日(6月6日=韓国の殉国者・戦没兵士の追悼記念日)のプレゼントを確かに受け取った」「解職などの措置や連絡がなければ、明日の顕忠日記念行事会場で『天安』の遺族や生き残った兵士たちがお目にかかるために訪ねていくことだろう」と投稿した。同じ時刻、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は国会で、記者らからこの件に関する質問を受け、「『天安』事件に対する政府の発表は公式の発表であり、私はその発表を信頼する」と事態の収拾に乗り出した。イ・レギョン氏の過去の発言が物議を醸していることについては、「その点までは私たちは正確な内容を知らなかったようだ」と言った。

 しかし、イ・レギョン氏は同日午後、韓国紙ハンギョレとのインタビューで、「天安」自爆・でっち上げ発言について、「一つの仮定、仮説の例として話したものだ」「原因不明というのが私の見解」と語った。北朝鮮による撃沈ではない可能性もあるという従来の主張を繰り返したものだ。

 これに対して、チェ・ウォンイル元艦長は再び投稿し、「国民を代表する公の党がこのような人物を革新委員長に任命し、『何が間違っているのか』とでも言うようなやり方を貫いている」と反発した。すると、共に民主党のクォン・チルスン首席報道官は午後の記者会見で、これに関する質問を受けた際、「『天安』元艦長はどの面下げてそのようなことを話したのか」「部下を皆殺しにしておきながら、聞いてあきれる」と答えた。同首席報道官はまた、「本来、艦長は船から降りてはいけないのではないか」とも言った。これは、チェ・ウォンイル元艦長に「天安」沈没事件の責任があるという意味として受け止められている。この発言が物議を醸すと、クォン・チルスン報道官は急いで見解文を出し、「『天安』のご遺族および生存兵士の問題提起には十分共感できるが、責任も共に感じなければならない指揮官は次元が違う、という考えによるもの」と釈明した。だが、これは同党内でも「つじつまの合わない釈明」と指摘の声が上がっている。

 共に民主党関係者らは、以前から「天安」沈没が北朝鮮の仕業ではないという陰謀論的な主張と、チェ・ウォンイル元艦長に責任を転嫁するような主張を繰り返してきた。同党の趙相鎬(チョ・サンホ)法律委員会副委員長は2021年6月の番組で、「(チェ・ウォンイル元)艦長は部下を水葬しておきながら、自分は昇進した」と述べ、物議を醸した。政界では、「『天安』事件に対する共に民主党の『本音』がまた明らかになったものではないか」という声が出ている。チェ・ウォンイル元艦長は本紙の電話取材に「護国報勲の月に生存兵士の胸にクギを打ち込むような発言を第1野党の首席報道官がするなんて、全く理解できない」「弁護士から助言を得て法的に対応する」と語った。

パク・サンギ記者

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  • ▲チェ・ウォンイル「天安」元艦長(左)と共に民主党のクォン・チルスン首席報道官

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