「石仏」呉昇桓、韓米日通算500セーブの大記録

韓国で378セーブ、米日で122セーブ

 韓国プロ野球のサムスン・ライオンズ対NCダイノスの試合が行われた6日、大邱サムスン・ライオンズ・パーク。サムスンが9-6でリードしたまま9回表を迎え、攻守交代の瞬間、球場の電光掲示板に「The Final Boss」という言葉が表示されると、観客1万4600人余りが歓声を上げた。同チームの看板スターであり、リリーフエースの呉昇桓(オ・スンファン、40)の登板を知らせるサインだったからだ。観客たちは一斉に席から立ち上がり、彼の姿をスマートフォンで撮り、その名を叫ぶ声が球場に響き渡った。韓米日通算500セーブという大記録の達成を前にしたスターへの期待を余すところなく表現したのだ。

【表】呉昇桓、韓米日通算500セーブの金字塔

 呉昇桓は期待を裏切らなかった。このイニングの先頭打者ソン・アソプに安打を許したものの、その後は3人連続でアウトにし、失点することなくチームの勝利を守った。今季8回目のセーブであり、韓国野球委員会(KBO)リーグで通算378回目のセーブだ。これに日本と米国での記録も加えると、通算500セーブ目となった。プロ野球生活18年目にして成し遂げた大記録だった。勝利が決まった瞬間、捕手の姜珉鎬(カン・ミンホ、37)と熱いハグをして喜びを分かち合った。チームメイトたちは呉昇桓に「ケーキの洗礼」を浴びせて偉業を祝った。

 プロ通算500セーブという記録は、韓国だけでなくアジアでも呉昇桓が初めてだ。日本では中日ドラゴンズで活躍した岩瀬仁紀(48)=現:解説者=が通算407セーブを挙げている。米大リーグ(MLB)でも500セーブ以上を挙げた投手はマリアノ・リベラ(53)とトレバー・ホフマン(55)=いずれも引退=の2人だけだ。呉昇桓は2005年にサムスンに入団、2013年までで277セーブを記録した後、日本に渡り、阪神タイガースでプレーした2シーズンで80セーブを記録した。2年連続で日本プロ野球リーグの最多セーブ投手に輝いた後、MLBセントルイス・カージナルスに入団、トロント・ブルージェイズやコロラド・ロッキーズを経て4年間で42セーブを挙げた。そして2020年にサムスンに戻って以降、現在までで101セーブを加えて500セーブを達成した。

 だが、その野球人生は決して順調ではなかった。京畿高校の卒業を前に2001年の新人ドラフト会議に臨んだが、ひじの手術歴があったため指名されなかった。日本でプレーしていた2015年にはマカオで賭博をしていたことが明らかになり、その後、韓国に復帰する際に懲戒処分を受けなければならなかった。今季は球威が急激に衰え、二軍に降格するという屈辱も味わった。しかし、最近3回の登板でいずれもセーブを挙げ、「石仏」というニックネーム通りの冷静な顔つきを取り戻した。呉昇桓は「チームの勝利を500回守ったと思うと胸がいっぱい」「今後も登板したらセーブ失敗になることなく、チームの勝利を守ることに集中していきたいです」と語った。また、「私の両親と妻の両親、そして妻が毎日野球を見てくれているのに、今シーズンはあまり良くないところばかりで申し訳なかったという思いです」「妻の母が作ってくれた漢方薬が力になり、4月に生まれた子どもを見るうちに、頑張って抑えたいという意欲が強くなりました」とも言った。

 日本の報道陣も同日、呉昇桓に取材するため大邱を訪れた。日本の記者が「今も日本で人気ですよ」と言うと、呉昇桓は「そうした方々が韓国の野球を見にいらっしゃった時、より良い姿をお見せしたいという気持ち」「米国のファンの皆さんも応援してくださるのだから、韓国の野球にもっと関心が持てるようにさらに頑張りたいです」と語った。

大邱=キム・ヨンジュン記者

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