韓国の漁業団体に訴えられたソウル大名誉教授、過去に「韓国の水産物は安心して食べられる」「問題は魚よりも恐怖心」と主張していた

 徐教授は5月30日に出演したYTNテレビの番組では「水産物は海流とは関係なく汚染されたものを食べ、勝手にあちこちを行き来する」「これはおそらく数百万匹、数千万匹になるだろう」とした上で「韓国では一度も水産物の腹を割いたことはない。水だけを必死で見ている」と述べた。

 徐教授はさらに「水深0-200メートルの表層水が米国に行って戻るまで5年かかるというのは正しいが、水深200-500メートルの深層水は中国の方向に向かう」と発言した。その上で徐教授は「それは5カ月後には南シナ海に行き、台湾海峡を経て済州近海に来て再び東海から日本に向かう。5-7カ月ほどかかるだろう」と主張した。セシウムやストロンチウムなど相対的に重量のある放射性物質は深層海流に沿って移動するという意味だ。

 ところが深層水は表層水よりもはるかにゆっくりと循環する。今年2月に韓国防災学会で発表されたソウル大学の研究論文によると、水深200-500メートルの海流はその流れが非常に遅く、日本の汚染水が台湾周辺に到達するまで約9年かかる。文在寅(ムン・ジェイン)政権当時の2019年、海洋水産部(省に相当)は「第3次海洋深層水基本計画」を発表し、その中で「東海の深層水を活用した産業拡大」を決めた。海洋水産部は当時「東海の深層水は数百年周期で循環する海流を通じて作られる」と説明していた。

 徐教授は福島汚染水を批判する自分自身について「学会では仲間外れだ」と明かした。自分だけが独自の主張を行っていることを認めたのだ。徐教授は今年3月にCRSラジオに出演した際「原子力学会で私は実は仲間外れになっている。なぜならそこではきれいだと言っているから」と述べた。

 これについて全国1万5000人以上の漁業関係者が加入している韓国最大の漁業団体「韓国沿岸漁業人中央連合会」は2日、徐教授を名誉毀損(きそん)などの容疑で警察に告発した。

 チョソン・ドットコムは徐教授に以前とは違った主張をするようになった理由について問い合わせたが、回答はなかった。

イ・ガヨン記者

【写真】「韓国の水産物は安心」 2015年2月の記事でも徐鈞烈名誉教授の主張を確認

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 韓国の漁業団体に訴えられたソウル大名誉教授、過去に「韓国の水産物は安心して食べられる」「問題は魚よりも恐怖心」と主張していた
  • 韓国の漁業団体に訴えられたソウル大名誉教授、過去に「韓国の水産物は安心して食べられる」「問題は魚よりも恐怖心」と主張していた

right

あわせて読みたい