中国にサムスン半導体工場の「複製」建設画策 元役員ら起訴=韓国

【水原聯合ニュース】韓国の水原地検は12日までに、サムスン電子の半導体工場を丸ごと複製した工場を中国に建設しようとしたとして、産業技術保護法や不正競争防止法違反の罪でサムスン電子の元常務を逮捕・起訴した。また、元常務が中国に設立した半導体製造会社の社員5人、設計図を持ち出したサムスン電子協力会社の社員1人の計6人を不正競争防止法違反などの罪で在宅起訴した。

 元常務は2018年8月から19年にかけ、サムスン電子の営業秘密で「国家核心技術」にも指定されている半導体工場の基本設計データや工程配置図、設計図などを不正に取得し、使用した罪に問われている。中国・西安にあるサムスン電子の半導体工場からわずか1.5キロの場所に同社工場を複製した半導体工場を建設する目的で犯行に及んだという。台湾の電子製品メーカーが元常務に約束した8兆ウォン(約8630億円)の投資が白紙化したことで、実際には工場は建設されなかった。

 だが、元常務が中国の成都市から4600億ウォンの投資を受けて建設した半導体製造工場は研究開発(R&D)棟を昨年完成させ、サムスン電子の半導体技術を用いた半導体の試作品を生産したとされる。

 元常務はSKハイニックスの副社長も務めた韓国半導体製造分野の第一人者。中国に半導体製造工場を設立後、サムスン電子とSKハイニックスの韓国内の人材200人を雇用したとされる。サムスン電子の半導体設計資料などを入手して活用するよう社員らに指示し、これに従い社員らが犯行に加担したことが明らかになった。

 検察は、今回の技術流出によりサムスン電子が少なくとも3000億ウォンに上る被害を受けたと試算した。検察の関係者は「半導体生産競争が激化するなか、韓国半導体産業の根幹を揺るがす重大な犯罪だ」と指摘している。

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