韓国10歳未満の重症外傷患者、75%はゴールデンタイムを逃していた

小児専門医の不足で「病院のたらい回し」、事故から1時間後に緊急救命室に到着

 10歳未満の子どもの重症外傷患者のうち、治療に重要な「ゴールデンタイム」内に緊急救命室を訪れたのは4人に1人に過ぎないことが分かった。

 6月11日、国立中央医療院中央応急医療センターによると、2021年圏域外傷センターの緊急救命室を訪れた0-9歳の重症外傷患者は122人だった。このうち、けがをしてから1時間以内に来院した患者は30人(24.6%)にとどまった。中でも負傷から30分以内に到着した患者はわずか9人(7.4%)に過ぎなかった。1日(24時間以上)が経過した後、圏域外傷センターを訪れた患者も9人(7.4%)に上った。

 重症外傷とは、墜落や交通事故などで骨が数カ所折れたり臓器の破裂により大量出血したりするなど、生命が危ぶまれるほど深刻な負傷を負った状態をいう。通常、重症外傷患者を治療するための「ゴールデンタイム」は事故発生後1時間以内と見なされる。

 多くの小児重症外傷患者が適時に救急救命室で治療を受けられなかった原因は、関連の専門医と治療のための技術を備えた医療機関が不足しているためだと言われている。重症外傷の場合、さまざまな分野の専門医を必要とする。ところが外科、神経外科、麻酔科、映像医学科など、さまざまな科目の小児専門医療陣が待機している病院の数が少ないため、急を要する小児重症外傷患者が複数の病院を転々としなければならないというのだ。韓国国内には小児外傷センターが1カ所も存在していない。専門家らは、小児重症外傷の報酬を引き上げるほか、小児外傷に集中する病院への支援を増やすなど、誘引策が必要との声が高まりを見せている。

 10歳未満の重症外傷患者のうち、1時間以内に圏域外傷センターの救急救命室を訪れた割合は、2019年の35.6%から2年間で11.0ポイント減少した。これは、2021年基準で全年齢帯の重症外傷患者のうち、1時間以内に救急救命室を訪れた患者の割合(34.6%)よりも10ポイント低かった。

キム・ギョンウン記者

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