専門家をモグリ扱いする共に民主・李在明代表、誰が本当のモグリなのか【6月20日付社説】

 韓国野党、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が福島原発の汚染水海洋放出を糾弾する集会で、「与党がモグリの科学者を呼んで発表することはデマだ」と発言した。朴光温(パク・グァンオン)院内代表は「国際原子力機関(IAEA)が検証結果を発表すると、それが真理であるかのように広報している」と述べた。原子力専門家をモグリと決めつけ、国連機関であるIAEAの検証も無視するというのだ。

【写真】最後の望みを絶った? KBSラジオ番組司会者に専攻分野を確認され「原子力安全工学」と返答するチョン・ボムジン教授

 日本の原発処理水の海洋放出は基本的に日本の問題だ。ところが、それに対してあまりにも非科学的なデマを広めれば、韓国水産物業界が被害を受ける。民主党のデマについて、国内外の原子力専門家は「科学的根拠もなく危険を誇張し、国民不安を助長するものだ」と言っている。韓国原子力研究院の報告書によると、福島からの原発処理水の海洋放出による韓国人の放射線被ばく量は胸部X線撮影1回分の1000万分の1だという。学者の大半もセシウムやストロンチウムなどの放射性物質は多核種除去設備(ALPS)という浄化装置で濾過し、トリチウムも海水で希釈されるため、韓国への流入量は自然発生量より少ないだろうと指摘した。こうした物質の海への流入は、中国の原発が50倍も多い。

 科学者は原子力・放射線分野で経歴を積み、能力が認められた国内外の大学教授と専門家だ。「恐怖ではなく科学で解決しよう」と言った原子力工学科教授は、韓国で初めて国際的な放射線安全機関である国際放射線防護委員会(ICRP)の委員を務めた。さまざまデマに対するブリーフィングを行う大学教授は、文在寅(ムン・ジェイン)政権当時から原子力安全委員会で勤務していた。最近福島を訪れた視察団も、大半が原子力の安全性を10-20年以上研究した専門家だ。

 しかし、韓国政界は自分たちの利益に合わなければ、専門性を露骨に無視する。原子力に対して完全に門外漢である李在明代表が科学的に立証されている説明を行う専門家をモグリと非難するありさまだ。 彼らは「事実」には関心がなく、政治的な損得だけが関心事だ。

 李代表は国会での演説で「不逮捕特権を放棄し、逮捕状請求時には自ら出席して令状審査を受ける」と述べた。李代表は大統領選の際にも不逮捕特権放棄を公約したが、2月に個人の不正行為で令状が請求されると不逮捕特権の後ろに隠れた。賄賂と現金入り封筒事件で捜査を受けていた民主党議員も同じだ。民主党は李代表就任後、これまで10カ月以上、逮捕逃れの「防弾国会」を開いている。

 民主党が李代表に対する国会逮捕同意案を否決すると、検察は既に李代表を在宅起訴し、裁判が開かれている。李代表が不逮捕特権を放棄したのは、これ以上検察による令状請求はないと考えたのではないか。これまで一日も欠かさずに防弾国会を開いてきた李代表が、突然不逮捕特権を放棄すると言っても、その意向を純粋に受け取る人は多くないだろう。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲共に民主党の李在明代表が17日、同党の仁川市支部が富平駅前で開いた「福島汚染水放出糾弾大会」で発言している。/NEWSIS

right

あわせて読みたい