北朝鮮・金英哲氏の要職復帰 「対南対応強化のため」=韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は、北朝鮮の朝鮮労働党で対韓国業務を担当する書記と統一戦線部長を担い、2018年の南北首脳会談、18年と19年の米朝首脳会談の開催に主導的な役割を果たした金英哲(キム・ヨンチョル)氏が統一戦線部に復帰した背景について、韓国への対応を強化する意図があるとの見方を示した。韓国統一部の当局者は20日、記者団に対し「金氏は南北対話や対南分野に長年携わった専門家」としてこのように述べた。

 19年の米朝首脳会談が物別れに終わって以降、重要ポストを解任された金氏は、今月18日に終了した党中央委員会総会で統一戦線部顧問に選任された。

 この当局者は、金氏が復帰したことで韓国への対応が強硬路線と対話路線のいずれになるかについて、「いずれの方向であれ、南北関係を全く知らない人物とは異なるだろう」として、「比較的高齢であるにもかかわらず、統一戦線部長でもなくあえて顧問というポストを与えたというのはそのような意図ではないか」と説明した。

 1946年生まれの金氏は、18年の米朝首脳会談で金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)を最側近として補佐したが、19年の米朝首脳会談の決裂により地位が凋落(ちょうらく)した。21年の党大会で対韓国担当の書記を外され、統一戦線部長へ事実上降格。昨年6月の中央委員会総会では統一戦線部長のポストも後輩にあたる李善権(リ・ソングォン)氏に譲った。 

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