原子力分野で韓国最高の権威団体である「韓国原子力学会」が日本の福島原子力発電所汚染水放流問題に関する公開討論を呼び掛けた。科学的に問題がないと判断されたにもかかわらず、非科学的な扇動を続ける特定集団に対し積極的に対応するためだ。狂牛病事態のときと同じく、国民を間違った方向に扇動する問題を科学研究者らが先頭に立って事前に阻止する狙いとみられる。
【写真】「根拠もなしに不安あおっている」と韓国の漁業団体に告発されたソウル大・徐鈞烈名誉教授
韓国原子力学会は20日の声明で「科学的な事実を公開の場で歪曲し、過度な恐怖を助長することは韓国の水産業界と関連する養殖業界の被害を自ら大きくする自害行為になるだろう」と指摘した。学会は「最近は一部の人たちによる過度な恐怖ビジネスが続いており、水産物消費量の減少や天日塩の価格上昇などがすでに起こっている。漁業関係者や科学者の側から原子力学会の次元での積極的な役割が求められている」とも訴えた。
原子力学会は「科学的には安全だが、福島原発汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)に対する韓国国民の懸念はしっかりと認識している」とする一方「感情的、道徳的、経済的あるいは国際政治的な観点からこれに反対することはあっても、科学的事実を公開の場で歪曲し、過度な恐怖を助長することは容認できない」とも主張した。学会は2011年の福島原発事故以来、放射性汚染水が周辺海域に及ぼす影響や汚染水の処理状況などから「汚染水の放流が周辺環境に及ぼす影響は微々たるもの」と説明を続けてきた。
原子力学会は「実証的な資料とさまざまな科学的分析によれば、福島原発で処理された汚染水の放出が韓国国民の健康と韓国の海洋環境に影響を及ぼすことはない」としてさまざまな角度から証明された汚染水分析結果および海洋への拡散予測の結果を提示した。さらに韓国野党・共に民主党をはじめとする一部政界関係者や市民団体が危険と主張する問題についても「過度な恐怖ビジネスだ」と批判した。学会は「専門家が提示した科学的判断と大きく異なる主張をさまざまなメディアを通じて伝える人たちに公開討論を提案する」「国民の不安解消と水産業界の被害防止のため積極的に活動したい」などともコメントした。
キム・ヒョイン記者