共に民主・李在明代表は「モグリ」呼ばわりした専門家たちと公開討論してみては【6月22日付社説】

 韓国で原子力分野の最高学術団体である韓国原子力学会は、日本の福島原発の汚染水放出を巡り、野党・共に民主党がデマを広めていることに懸念を示し、公開討論を提案した。同学会は「最近一部の人物が過度に恐怖をあおり続け、水産物の消費減少や天日塩価格上昇などの現象が起きている」とし、「科学的事実を歪曲(わいきょく)して過度な恐怖をあおることは、水産業界と飲食業界の被害を拡大させる自害行為だ」と指摘した。

 原子力学会は「2011年の福島原発事故の際、高濃度放射性汚染水が多量に放出されたが、12年間韓国海域で有意な放射能増加はなかった」とし、「今後汚染水を処理して放流しても韓国に影響を及ぼす可能性はない」と指摘した。汚染水を希釈すればトリチウムの量は基準値以下になり、韓国の海域に流入する量も現在の海水のトリチウム濃度の10万分の1以下になるという。セシウムやストロンチウムなどの放射性物質も多核種除去設備(ALPS)という浄化装置でほとんどろ過される。福島からの海洋放出による放射線被ばく量はレントゲン撮影時の1000万分の1にすぎない。むしろ中国の原発から西海(黄海)に放出されるトリチウムは福島の50倍だ。原発の安全分野で権威として知られる韓国科学技術院(KAIST)の教授は「福島から海洋放出しても100年間何の影響もない」と話した。国際放射線防護委員会(ICRP)委員を務めた教授も「福島に関するデマは全く科学的ではない」と語った。

 しかし、民主党は討論提案に対し、「福島反対学会が討論すればよく、なぜ我々が出席するのか」とコメントした。民主党はこれまで「核廃水」「放射能クロソイ」「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の放射能テロ」などというデマを広めた張本人だ。今韓国社会で民主党以外にそんなデマを露骨に主張する学会や団体はない。民主党は専門知識がないため討論できないなら、民主党の主張に同調する学会や団体を探してでも討論に応じてほしい。民主党が専門知識なしに、みだりに過激な主張を行ったこともとんでもないが、どうであれ討論を行い、国民が真実を知らなければ、水産業界の被害を防ぐことはできないからだ。特にデマに同調しないことを理由に、原子力分野で最高の専門家を「モグリ」と非難した李在明(イ・ジェミョン)代表は、その「モグリ」と公開討論ができない理由はないはずだ。

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  • ▲共に民主党の李在明代表と朴光温(パク・クァンオン)院内代表らは21日午前、ソウル・汝矣島の国会で開かれた政策議員総会で「福島汚染水海洋放出反対」というカードを掲げ、スローガンを叫んでいる。/ニュース1

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